マイクロソフトは4月20日、2006年末以降の出荷が予定されているMicrosoft Officeの次期バージョン「the 2007 Microsoft Office System」(Office 2007)の概要についてビジネスパートナーに紹介する製品発表会、「The New World of Work Day」を開催した。
発表会のタイトルともなっている“The New World of Work”は、マイクロソフトが掲げる、インフォメーションワーカーにとっての新たな仕事環境のこと。冒頭に登壇した、マイクロソフトビジネス部門担当プレジデントであるJeff Raikes氏は、ビジネスにおける情報の資産的な価値が高まるにつれ、デジタルなツール、インフラを用いた仕事のスタイルも変化していくことを強調。その新たな環境を実現するためのソリューションが、新たなOfficeの製品群であるとした。
同社では2003年3月に「Microsoft Office System」と呼ばれる構想を発表し、それ以降、Officeをデスクトップアプリケーションのシリーズから、インフォメーションワークのための総合的なプラットフォームとして進化させる方向性を明確に打ちだした。各アプリケーションで作られるコンテンツをベースとして、スムーズな共同作業やデータの再利用を行うための環境を整えるために必要な、コンテンツ管理機能、検索機能、ビジネスインテリジェンス(BI)機能、ポータル機能、コミュニケーション機能などをサーバシステムとして、統一された「Office」ブランドにおいて提供するという戦略だ。
フロントエンドとしてのOfficeアプリケーションと、バックエンドのサーバシステムを緊密に連携させることで、新たなワークスタイルを生み出そうとする方向性は、Office 2007においてさらに強められる。
マイクロソフトがOffice 2007のシステムイメージとして示した図の中には、デスクトップ側にコラボレーション環境を強化するための新製品である「Groove」の名が、サーバシステム側に機能強化された「SharePoint Server」、簡易なワークフローシステムを実現するためのSharePoint Serverのサブセットである「Forms Server」、Grooveのサーバシステムとなる「Groove Server」、さらにSharePointなどの一部の機能をASP形式で提供するサービスとなる「Office Live Server」などが名を連ねている。
同社はパートナーに対し、「Office製品の組み合わせだけでなく、コラボレーション、コンテンツ管理、ビジネスインテリジェンス(BI)、プロジェクトマネジメントの4つの分野で、ユーザーに対していかに付加価値を与えられるかは、パートナーのソリューションにかかっている」とした。
具体的な製品構成の一部も紹介された。ボリュームライセンスで提供されるスイート製品は「Office Standard 2007」「Office Professional Plus 2007」「Office Enterprise 2007」の3種になるという。Standardは、Outlook、Word、Excel、PowerPointのパッケージ。Professional Plusは、StandardにAccess、Publisher、InfoPath、Communicatorの各製品を加え、さらにコンテンツ管理機能、ワークフロー機能、ライツマネジメント(権限による文書保護機能)などを付加したものとなる。Enterpriseは、Professional Plusに加えて、OneNoteおよびGrooveを付加したものだ。
また、SharePoint Serverについては「Standard CAL」と「Enterprise CAL」の2種類のクライアントアクセスライセンスが提供されるという。Standardは、シングルサインオン、ワークフローテンプレート、コンテンツ管理機能を利用できるもので、Enterprise版は、それらに加えてデータ統合、電子フォームサービス、Excelファイルの発行とレポーティングといった高度な機能が利用できる。
Raikes氏は、インフォメーションワークに従事する人々の数が今後も増え続ける点に加えて、多くの企業が自社のコラボレーションプラットフォームをExchangeやSharePointへと移行しようとしていることに言及。「これを大きなチャンスととらえて、The New World of Workの実現を共に目指してほしい」と日本のパートナーの支援を求めた。