OpenDocument Formatを承認したため、国際標準化機構(ISO)がMicrosoft OfficeのOpen XMLフォーマットを採用する可能性は低い、と調査会社Gartnerでは見ている。
Gartnerが先週公表したリサーチメモによると、ISOが複数のXMLドキュメントフォーマットを承認しない確率は70%だという。同社はまた、同じ確率で「2010年までには政府の50%および民間の20%がODF(OpenDocument Format)ドキュメントによるデータ交換を義務づけるようになる」との予測も示した。
Microsoftは2005年、ISO標準化へ向けた前準備として、同社のOffice Open XMLファイルフォーマットを欧州の標準化団体ECMA Internationalに提出した。
Gartnerはリサーチメモのなかで、「ISOによるOASISのOpenDocument承認はMicrosoftにとって打撃」だとし、「ODFの活用機会を探る」ようベンダー各社に勧告した。しかし同社は、ODFをサポートするアプリケーションへの移行にはかなりのコストがかかる可能性もある、として注意を呼びかけた。
「移行にはコストがそれなりにかかり、Microsoft Officeのユーザーとのドキュメント交換では互換性の問題も絡んでくる。Microsoft Officeフォーマットとの互換性が必要だったり、移行コストを正当化できない場合は、ODFのサポートをMicrosoftに働きかけるとともに、Microsoft製アプリケーションからODFファイルを開いたり保存するためのプラグインを探す必要がある」とGartnerは勧告した。
Gartnerは、MicrosoftのフォーマットがISOに承認される可能性は低いと考えているが、欧州委員会はまだ判断しかねているようだ。ISOがOpenDocumentを承認した2日後にZDNet UKが欧州委員会の情報筋から聞いた話では、「将来的に2つのISO標準が出てくる場合に備え」同ドキュメントフォーマットを推奨する可能性は低いという。
現在、XMLデータフォーマットを巡って標準化団体が衝突しているのは、データベース、検索エンジン、Webサービスなど、あらゆる種類のアプリケーション間の互換性実現を目指しているのが要因だ。
Sun Microsystemsの「StarOffice」、Googleの「Writely」、IBMの「Workplace」、そしてStarOfficeからオープンソースにスピンオフしたOpenOffice.orgなど、ODFはさまざまなアプリケーションがサポートしている。Microsoftは、Microsoft OfficeへのODFのサポート追加を拒否したものの、同フォーマットとの互換性確保には同意している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ