日本オラクルおよび日本オラクルインフォメーションシステムズは11月20日、日本市場における小売業向け事業の新戦略について明らかにした。この発表により同社は、小売業向けの専任組織である「オラクル・リテイル・ジャパン」を発足。日本のビジネスパートナーや米国本社の「リテイル・グローバル・ビジネス・ユニット」などと協力することで、小売業向けアプリケーションである「Oracle Retail」を日本市場において本格展開する。
Oracle Retailは、Oracle E-Business Suite(Oracle EBS)」の小売業向け機能を中核に、同社がこれまでに買収した、PeopleSoft、Siebel、Retek、ProfitLogic、360Commerceなどの小売業向けソリューションをOracleブランドとして統合したもの。コアとなる商品計画と最適化、商品管理、企業間協業、サプライチェーン計画と最適化、サプライチェーン管理(SCM)、店舗管理のほか、分析(BI)機能などで構成されている。
Oracle Retailを構成する主なコンポーネントは次の6つ。
- Retail Profit Optimization
- Merchandising Planning
- Supply Chain Planning & Optimization
- Merchandising Operation Management
- Supply Chain Execution
- Integrated Store Operations
同製品の特長は、ライフサイクル管理とパートナーエコシステムを実現できる包括的なサービス群を提供できることはもちろん、業界標準のテクノロジに基づく約30年の実績があること。さらにOracle Fusion MiddlewareをベースにSOA(サービス指向アーキテクチャ)で統合された高付加価値アプリケーションを提供できることなどが挙げられる。これにより、変化の激しい小売業界においても、効果的にITシステムを活用することができる。
日本オラクルの常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長、桑原宏昭氏は、「大規模なM&Aやチャネルの多様化、サプライチェーンの高度化による“業界構造の変化”、商品寿命の短命化や新商品の氾濫、急速な価格下落による“競合の激化”、少子高齢化や消費の二極化、ニーズの多様化などによる“社会構造・消費行動の変化”、日本版SOX法や個人情報保護法、減損会計などによる“行政政策・法制度の変化”の4つにより、日本の小売業界を取り巻く環境は大きく変化している」と話す。