日本オラクルは4月17日、Oracle Fusion Middlewareの中核となるアプリケーションサーバ製品「Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3)」のRFID機能を強化することを発表。RFIDミドルウェアの最新版である「Oracle Sensor Edge Server」および「Oracle Sensor Edge Mobile」、納入業者向けRFIDコンプライアンスのための新機能「RFID Supplier Compliance Workspace」の3つの製品の提供を開始することを明らかにした。
日本オラクルでは、2003年3月よりRFIDビジネスへの取り組みを開始。2005年2月には、「Oracle Application Server 10g(10.1.2)」においてOracle Sensor Edge Serverの最初のバージョンを発表した。すでに、NHKアートや凸版印刷、ヨドバシカメラなどが、同RFIDソリューションを導入した実績があるほか、日立製作所や日本ヒューレット・パッカードなどの企業とRFIDソリューションの推進を目的とした協業も発表している。
オラクルのRFIDの最大の特長は、リーダ/ライタデバイスから基幹システムまで、完全に統合されたRFIDアーキテクチャを提供できること。Oracle CorporationのOracle Sensor Based Services開発担当ディレクターであるSamelson Rehman氏は、「既存アーキテクチャに、いかにRFIDを組み込んでいくことができるかが最大のポイント。他社の製品は、ポイントソリューションでしかないが、オラクルはRFIDソリューションのライフサイクル全体をカバーできる」と話す。
オラクルのRFIDソリューションでは、無線ICタグを使ったデータの収集はもちろん、収集したデータにアクセスし、分析することで、次の応答へとつなげていくことが可能。RFIDソリューション全体を管理するための仕組みも提供される。
Oracle Application Server 10g Release 3では、Oracle Sensor Edge Serverのドライバ機能、フィルタ機能、ディスパッチャ機能、システム管理機能が強化された。また、新機能として、PDAなどのハンドヘルドデバイスを利用したRFIDシステムを構築するためのRFIDミドルウェア「Oracle Sensor Edge Mobile」も追加されている。これらの機能により、端末機器からバックエンドシステムまでトータルなRFIDシステム構築の工期短縮を支援する。
また、米国における実績に基づいた新製品「RFID Supplier Compliance Workspace」も提供。同製品は、小売業者からのRFIDコンプライアンスを実現するためのもの。納入業者側で不可欠とされる、EPCコードの発行、RFIDラベルプリント機能、読取チェック機能をパッケージ化している。この機能により納入業者は、RFIDを利用してサプライチェーンにおけるコンプライアンス対応を迅速にかつ容易に行うことが可能になる。
Oracle Sensor Edge Serverの価格は1CPUあたり62万5000円(Oracle Application Server 10gに含まれる)、Oracle Sensor Edge Serverに含まれるOracle Sensor Edge Mobileが1ユーザーあたり1万2500円(10ユーザーより)、RFID Supplier Compliance Workspaceは1CPUあたり62万5000円(Oracle Application Server 10gに含まれる)。別途、リポジトリとして「Oracle Database」が必要になる。
日本オラクルでは、2007年度中(2006年6月〜2007年5月)に50社以上への導入を見込んでいる。