OracleがSAPによるソフトウェアメーカーRetek(本社:ミネソタ州ミネアポリス)の買収に横やりを入れた。同社は米国時間9日、1株あたり8ドル50セントというSAPの提示額に対し、9ドルを提示する計画であることを明らかにした。
Oracleは100億ドルをつぎ込んだPeopleSoft買収を1月に完了したばかりだが、今回の動きについては、SAPに対する威嚇を意図したものであることを明確にしている。
OracleのCEO、Larry Ellisonは8日付けの声明のなかで、「北米市場では、OracleのアプリケーションビジネスのほうがSAPよりも規模が大きい。われわれは首位の座を守るつもりだ」と述べた。
Oracleは、これまでの2日間でRetek株を550万株を購入し、同社株のおよそ10%を確保している。
SAPは先週、Retek株に対して1株あたり8ドル50セントを支払うことに同意しており、総額ではおよそ4億9600万ドルとなる。両社は、株主と監督機関の承認を経て4月上旬に買収を完了する見通しだとしている。
Oracleは昨年、PeopleSoft買収に失敗したときの代替買収先としてRetekに目を付けた。このときの巨額の入札額もそうだが、OracleのRetekに対する提案は意表をつくもので、PeopleSoftによるJ.D. Edwards買収計画の発表時と同じく、ライバルの動きに対する牽制が主な目的となっている。
Ellisonは、Retekの取締役会に宛てた書簡のなかで、Oracleの提案がSAPのそれより優れる理由を数多く挙げている。Oracleは、提示金額で上回ることに加え、Retekの長年のパートナーでもあるために既に両社の親交も深く、Retekの顧客の80%以上はOracleデータベースのユーザーでもあるという。また、技術的にも多数の類似点があるとEllisonは述べている。
同氏はこの書簡のなかで、「最も重要な点は、われわれがJavaプログラミング言語と業界標準をベースに開発されたアプリケーションという未来のビジョンを共有していることだ。SAPとはそこが違う」と述べている。
SAPの関係者にコメントを求めたが回答は得られなかった。
Retekは小売業向けのソフトウェアを開発しており、昨年は売上高は1億7420万ドルで、社員数は525人。SAPは、Retekの製品を自社のビジネス管理プログラム製品に加えることできれば、このような技術に最近強い関心を寄せる小売業界に売り込みやすくなる、としていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。