富士通は12月7日、文字運用管理の一元化を実現するミドルウェア製品「Interstage Charset Manager」の新機能であるJIS2004対応や、顧客が抱える文字管理の課題とその対策方法に関する説明会を開催した。
Interstage Charset Managerは、メインフレームやWindows、UNIXなど、システムによる文字コードの違いを吸収するためのミドルウェア製品。業務システムで使用するあらゆる文字資源を効率的に集中管理できるので、文字化け対策のための作業時間やコストを削減することが可能になる。
新しい機能として、外字ライブラリに、JISの文字規格である「JIS X 0213:2004(JIS2004)」や最新の人名漢字、住民基本台帳ネットワーク統一文字、戸籍統一文字などを含む約9万字を収録。新たに外字を制作することなく、外字エディタ機能を使用して容易に外字を利用することができる。
ソフトウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第一開発部 部長の野島伸一氏は、「我々の調査では、これまで外字1文字をSE作業で制作すると約26時間が必要だったが、Interstage Charset Managerを使用することで約15分に短縮することができる」と話している。
Interstage Charset Managerの新機能として搭載されたJIS2004対応は、Windows Vista環境で入力されたある特定の文字が、Windows XPやWindows Server 2003環境で文字化けしてしまう問題を解決するためのもの。これは、Windows Vistaが文字コードとしてJIS2004をサポートしているのに対し、Windows XPやWindows Server 2003が「JIS90」を採用しているために発生する問題だ。
この問題を解決するために、Ajax技術を使用したウェブ入力技術を開発。異なるOS上でも同じ文字を入力したり、表示したりできる機能を搭載した。
具体的には、文字フォントや辞書をサーバ側に持ち、サーバ側で実行されたかな漢字変換処理と文字表示処理の結果を、クライアントアプリケーションに組み込まれたInterstage Charset Managerの入力部品上に表示させる。これにより、利用できない文字の入力を抑止することが可能になる。この技術は現在、特許出願済みとなっている。
ソフトウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長、藤井泰氏は、「官庁や自治体など、大量の文字を使用する顧客に対し、外字の運用を効率化するためのソリューションを提供してきた。Interstage Charset ManagerがJIS2004をサポートしたことで、より広い業種の顧客にJIS2004対応ソリューションを提供できる」と話している。