組織・人事コンサルティングのベリタス・コンサルティングはこのほど、企業向けWikiの「DekiWiki」の提供を開始した。ASP型サービスとソフトウェアアプライアンスの2通りで提供される。ソフトウェア開発のステボルディと共同で開発した。
DekiWikiは、10人以下の小規模組織から100人以上の中大規模までユーザー企業の規模にあわせたWikiとなっており、従来のWikiよりも簡単にブログ感覚で編集できる機能や、Windowsのエクスプローラと同様の感覚で操作できるデスクトップツールで導入しやすくなっている。
また、ページへのファイルや画像に添付でき、添付ファイルも含めたサイト内の全文検索ができるようになっている。更新情報はRSSで配信される。LDAPやActive Directoryなどの外部認証システムとの連携ができるようにもなっている。
ITリテラシーに関係なく誰でも使いやすいツールとして設計されているDekiWikiは、ユーザー企業の状況次第でさまざまな利用ができるとしている。たとえばプロジェクト管理や共同での文書編集、ノウハウ収集などで効果を発揮すると見込まれる。
Wikiの企業内利用では、導入したはいいもののあまり利用されなくなるといった現状が指摘される。こうした状況に対して、DekiWikiの場合、パイロット運用や運用ルールの最適化などの活性化サポートサービスも提供する。
DekiWikiのASP型サービスは、ネット上から必要情報を登録して利用できる。45日間無料で使用感を試せるフリープランから最大ファイル容量10Gバイト・200ユーザーまで利用できるプレミアムビジネスプランまでの4つのプランを用意している。
ソフトウェアアプライアンスは、ユーザー企業がサーバを設置、それにDekiWikiを導入するというもの。セキュリティレベルが高い環境で利用したい場合、ASPでは対応していないファイル容量やユーザー数での利用に適している。ソフトウェアライセンスは250万円、年間ソフトウェア保守費用は42万5000円となっている。
DekiWikiは、米Mindtouchが開発したオープンソースベースのWikiアプリケーション。Linuxで動く.NET環境である「mono」上で動作する「Mindtouch Dream」と「Mindtouch Deki」でデータI/Oなどを行う基盤が実装されており、インターフェースはPHPで実装されている。これらモジュール間のI/OはREST方式を採用したAPIで実装されている。
基盤部分はC#で実装されていることから、カスタマイズ・ローカライズにはある程度の開発リテラシーが要求されていることから、PukiWikiなどのWikiアプリと比較して日本国内では普及に至らないという背景があったという。ベリタス・コンサルティングはステボルディの技術力を背景に従来のPukiWiki製品へのユーザーからの要望を取り入れ、DekiWikiとして製品化している。