マイクロソフトは4月6日、現在日本語版ベータサービスを展開中の企業向けオンラインサービス「Microsoft Business Productivity Online Suite(BPOS)」について、日本での価格と販売支援パートナーについて発表した。
BPOSは、マイクロソフトの企業向けサーバソフトウェアの機能を、同社が運用するデータセンターよりネットワーク経由で提供する「Microsoft Online Services」の第1弾。メッセージングサービスを提供する「Exchange Online」、ドキュメント管理や企業情報ポータル機能などを提供する「SharePoint Online」、リアルタイムコミュニケーション機能を提供する「Office Communications Online」「Office Live Meeting Online」が含まれる。
1ユーザーあたりの価格は、Exchange Onlineが1044円/月、SharePoint Onlineが757円/月、Office Communications Onlineが261円/月、Office Live Meetingが800円/月。これら4つのアプリケーションの統合版(スイート)であるBPOSが1567円/月となる。
また、ウェブブラウザによるアクセスのみのライセンスとなる「Deskless Worker」版については、Exchange、SharePointがそれぞれ209円/月、両サービスの統合版となる「Deskless Worker Suite」が313円/月。
マイクロソフト、執行役常務ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏によれば、この価格は米国での提供価格をもとに、中長期的な為替変動を考慮して決定した価格であり、為替レートの変動による日本での価格変更は当面ない見込みという。
価格に関しては、250ユーザー以上で利用する場合にユーザー数に応じて段階的に割引(最大約24%)となるボリュームディスカウントがあるほか、既存のサーバ製品のクライアントアクセスライセンス(CAL)をソフトウェアアシュアランス(SA)付きで利用しているユーザーに対し、さらに14%から34%の割引を行う「ステップアップ価格」を提供する。既存のサーバ製品のCALを利用していない新規のユーザーには、2009年6月30日までに申し込みをした場合に、この「ステップアップ価格」を提供する早期申し込み割引のキャンペーンを行うという。
発表に合わせて来日した、マイクロソフトビジネス部門担当プレジデントのStephen Elop氏は、「増大する社会の多様性と複雑さ、テクノロジーへの期待、経済環境の激変といいった要素によって、ビジネス環境にも大きな変化が起こっている」と指摘。Windows Azureをはじめ、Dynamics CRM Online、Office Liveなど、あらゆる製品カテゴリにおいて、同社が近年急ピッチで進めているクラウドコンピューティングへの取り組みを紹介した上で「ニーズの変化に合わせて、自社内運用(オンプレミス)か、クラウドか、その組み合わせかなど、顧客が情報をどのようにやり取りするのかの選択肢を広げる。それが、Microsoftが掲げる『Software plus Services』のコンセプトだ」とした。
日本でのBPOSの正式なサービスインは4月中を予定しているが、それに合わせてマイクロソフトでは「Microsoft Online Services認定パートナープログラム」も開始する。4月6日現在、日本国内では30社以上がパートナーとして登録を行っているという。
この40社の中には、アイフォーコム、アクセンチュア、アバナード、アンク、ウチダスペクトラム、内田洋行、大塚商会、カテナ、CSK Winテクノロジ、セカンドファクトリー、豊通シスコム、日本ビジネスシステムズ、日本ヒューレット・パッカード、パナソニック ソリューションテクノロジー、パルソフトウエアサービス、ビービーシステム、日立システムアンドサービス、ベイテックシステムズといった企業が含まれる。
発表会には、パートナーを代表してウチダスペクトラム代表取締役社長の町田潔氏と日立システムアンドサービス、執行役専務の眞木正喜氏が出席した。ウチダスペクトラムでは、BPOSの新規導入およびオンプレミスからの移行について、要件定義からライセンス調達、設計、テスト、展開までの支援を、同社の得意とするグローバルソフトウェア資産管理(SAM)サービスと組み合わせて提供。また、日立システムアンドサービスでは、BPOSの構築、BPOSへの移行、BPOSと自社運用システムの連携実現などを含む一連の「BPOS構築ソリューション」を提供するとした。