シトリックス・システムズ・ジャパンは7月23日、仮想化プラットフォーム「Citrix XenServer」に向けた管理製品の最新版「Citrix Essentials for XenServer 5.5」を発表した。XenServerは無償で提供されているが、有償のCitrix Essentialsを採用することで、プロビジョニングサービスや仮想マシンの最適配置、ストレージとの連携が可能になる。
5.5で新たに追加された機能のひとつに、ポリシーベースで動的に負荷分散する機能がある。これは、「仮想環境でパフォーマンスよく仮想マシンを利用するために必要な機能」と、シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 リードプロダクトマーケティングマネージャー 北瀬公彦氏は説明する。この機能では、仮想マシンとホストOSのパフォーマンスをプロファイリングし、仮想マシン起動時やホストのメンテナンス時の最適な再配置などがわかるようになっている。ポリシーは、CPUやメモリなどのリソースの中でどのリソースに重きを置くかや、そのリソースごとの設定も可能で、ポリシーに基づいて物理サーバ間で仮想マシンのライブマイグレーションが半自動的に実行される。
また、新バージョンではストレージ統合の拡張機能「StorageLink」も拡張された。これにより、仮想マシンからストレージの機能が使用でき、自動的に仮想マシンを作成したりストレージの設定が可能になる。北瀬氏は、「複数のストレージが存在する複雑な環境において、シングルポイントで管理できることは大きな利点だ」と話す。
さらに、日本では未発売のPlatinum Editionのみで提供される機能ではあるが、自動ラボ環境管理機能も追加されている。これは、開発ラボ環境から本番稼働環境までのライフサイクル全体において、アプリケーションの構築やテスト、共有、配信のプロセスを効率化する機能だ。Platinum Editionの日本における展開は「準備ができ次第、発表したい」(北瀬氏)としている。
今回発表されたCitrix EssentialsはXenServer向けだが、北瀬氏は「今後は複数のハイパーバイザを同時に利用することも増えるだろう」として、マイクロソフトの仮想化製品「Hyper-V」に対応する「Citrix Essentials for Hyper-V」もリリース予定だとしている。日本での提供開始時期は現在未定だが、Hyper-V対応バージョンはすでにワールドワイドでは提供されている。