シトリックス・システムズ・ジャパンは10月26日、デスクトップ仮想化のための新製品「Citrix XenDesktop 4」を発表した。これは、「シトリックスがデスクトップ仮想化を推進するにあたって中核的な製品だ」と、シトリックスの代表取締役社長を務めるMichael King氏は述べている。
King氏は、デスクトップ仮想化に求められることとして「PCよりも優れたユーザー体験を提供できること、利用方法が異なるさまざまなユーザーにも対応できること、投資に見合ったリターンをもたらすこと」の3点を挙げ、「XenDesktop 4は完全なデスクトップ仮想化が実現できる革命的な製品だ」と話す。
XenDesktop 4の特徴のひとつは、HDX(High Definition eXperience)が強化されたことだ。Flashコンテンツをネイティブ圧縮形式でユーザーのデバイスに送信し、クライアントの処理能力を利用して再生する「HDX MediaStream for Flash」や、帯域の消費を最小限に抑えつつウェブカメラをサポートし、音質を向上させることでリアルタイムコミュニケーションを強化する「HDX RealTime」などにより、「これまでのソリューションに比べ、帯域使用量を最大90%削減できる」(King氏)という。
また、XenDesktop 4ではCitrix XenAppの全機能が統合されており、アプリケーションの配信がデスクトップ管理の一部として融合される。これにより管理者は、データアクセスの制御や、管理対象のデスクトップイメージの削減、システムコンフリクトの解消、アプリケーション回帰テストの削減が可能となり、ユーザーもアプリケーションの追加や更新、削除をどこからでもできるようになるという。
そして、XenDesktop 4の一番の特徴は、さまざまなタイプのユーザーに合わせた仮想デスクトップを提供するFlexCastデリバリテクノロジだ。例えば、同じアプリケーションセットを共有して利用するタスクワーカーには、ユーザーごとのカスタマイズが不要なサーバベースの共有型仮想デスクトップを提供し、よりパーソナライズされたデスクトップを必要とするオフィスワーカーには仮想マシンベースのホスト型モデルを提供する。また、ハイエンドのプロフェッショナルアプリケーションを実行するパワーユーザーの場合、データセンターのブレードPCを提供することも可能だ。
XenDesktop 4は、11月16日より提供が開始され、1ユーザーもしくは1デバイスにつき1つのライセンスが付与される。ユーザーライセンスモデルは、各エンドユーザーが追加コストなしにオンラインおよびオフラインのデバイスを何台でも使用でき、デバイスライセンスモデルは、1ライセンスを持つデバイスをユーザーが何人でも使用できる。12月より提供される予定のVDI Editionでは、同時接続(CCU)ライセンスも提供する予定だ。
XenDesktop 4のエディションは、Platinum Edition、Enterprise Edition、VDI Editionの3種類。価格は、Platinum Editionが5万100円(ユーザーまたはデバイスライセンス)、Enterprise Editionが3万2200円(同)、VDI Editionが1万3700円(同)となっている。