電通国際情報サービス(ISID)は3月19日、ドイツのTonbeller AGと販売代理店契約を締結し、マネーロンダリング対策を支援するソフトウェア製品群「Siron Financial Solutions」の提供を開始すると発表した。
同製品群を構成するマネーロンダリング対策パッケージ製品「Siron AML」の導入および保守サービスの提供を行うほか、金融機関のマネーロンダリング対策および業務運用の検討を支援するコンサルティングサービスを提供し、対策をトータルにサポートするという。コンサルティングサービスについては、ISIDグループのアウトソーシングサービスを担うISIDアドバンストアウトソーシング(ISID-AO)と連携して提供する。
Tonbeller AGのSiron Financial Solutionsは、マネーロンダリング対策、リスクアセスメント、不正検知、市場操作等、広範な金融犯罪に対応したモジュールを提供するソフトウェア製品群。世界40カ国、700サイト以上での稼働実績があるとする。
今回、日本で提供を開始するSiron AMLは、取引モニタリング、リスト照合等を含んだマネーロンダリング対策パッケージで、振り込め詐欺や反社会的勢力への対応など、金融犯罪対策を集約して実施することが可能という。また、優れた操作性とメンテナンス性を備え、ユーザー自身でシナリオ、閾値の設定、分析のPDCAサイクルを回すことが可能だとしている。これにより、金融機関はコストを最小化しながらマネーロンダリング対策業務をコントロールできるという。
また、ISIDではシステムの導入、保守に加えて、業務運用の検討支援をあわせて提供する。そのため、金融機関では、システムから運用にいたる業務の全体像を見据えてマネーロンダリング対策を講ずることが可能としている。
今回のソリューションを提供する背景としては、多国間でマネーロンダリング対策を監視する「金融活動作業部会(FATF)」の対日審査が2010年10月に迫る中で、金融機関においてマネーロンダリング対策の検討が本格化しつつある点が挙げられている。マネーロンダリング対策の実施にあたっては、業務への影響範囲や、システムでカバーすべき範囲など、明確となっていない点も多く、対策にあたっては振り込め詐欺や反社会的勢力への対応など、関連する金融犯罪対策もあわせて検討する必要があり、金融機関における検討作業は複雑なものになっているという。
ISIDでは、今後の計画として、個別での提供に加えて共同センター方式によるサービス型での提供や、ISID-AOによるシステム導入後の「業務運用サービス」の提供も検討していくとしている。