IDC Japanは1月24日、同社が行った国内ユニファイドコミュニケーション(UC)市場に関する企業ユーザー調査の結果を発表した。
調査は、2010年8月に、従業員10人以上の企業820社に対して行われた。その結果、VoIPシステム、サービスを自社の音声プラットフォームとして利用しているユーザーは55.6%となり、2009年調査での平均回答だった54.4%と比較し、横ばいだったという。また、ユーザーのVoIPプラットフォーム導入動機はコスト削減が多数を占めており、ユーザーのUCインフラへの支出動向がコスト削減を理由としたものにシフトしていることがわかったとしている。
一方、ユニファイドアプリケーションの導入率は、2009年調査と比較して大きく上昇し、特に電話会議、ウェブ会議、ビデオ会議を含む「IP会議システム」は、27.8%の企業ユーザーが導入していると回答した。これは、2009年調査と比較して8.6ポイントの増加となっている。
また、「プレゼンス機能」「ユニファイドメッセージング」「業務アプリケーション連携」などの機能も、2008年の調査以来、継続して導入率が上昇しており、IDCではこの調査結果について、ユーザーのUCシステムへの支出がUCインフラからアプリケーションへシフトしていると見ている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティリサーチマネージャーの眞鍋敬氏は、「UC提供ベンダーおよび販売チャネルは、IT支出がニューノーマル化し、急速な投資額増加が見込めない市場環境の中、生き残りを賭けた戦略転換が必要である。ビジネスイノベーションを喚起する提案、モバイルシステム連携、ソーシャルメディア連携の開発が必要である」とコメントしている。