日本Linux協会は9月10日、9月13〜14日に開催されるイベント「Japan Linux Conference 2007」(LC)で表彰される「LC Award」受賞論文が決定したことを発表した。
LC Awardに選ばれたのは、上川純一氏の論文「ソフトウェアビルド試験用のスクラッチ環境の高速化のためのコピー・オン・ライト・ファイルシステムの実装と適用」。上川氏は、Debian Projectの開発メンバーであり、Debian Jpの会長を務めている。
受賞した論文は、スクラッチ環境を提供してソフトウェアビルド試験を実施するための仕組みである「cowbuilder」についてまとめたものだ。
cowbuilderは、Debian GNU/Linux、そのほかのディストリビュータに特化したソフトウェアビルド試験のフレームワークである「pbuilder」を応用し、ユーザー空間でのファイルシステムのコピー・オン・ライトを実装する「cowdancer」を実装・活用することで高速化するとともに、ユーザー空間を拡張することで短期間な普及を実現している。論文では、cowbuilderの実装の仕組みと検討経緯がまとめられている。
受賞論文の発表は、イベント2日目の9月14日の午後1時30分から予定されている。授賞式は同日の午後3時45分からとなっている。