トレンドマイクロは2月15日、監視サービス「Expert on Guard」を3月1日から提供すると発表した。同社のウイルス解析・サポートセンター「リージョナルトレンドラボ」が24時間365日体制で顧客のウイルス対策状況を監視し、月次・四半期ごとにレポートを提供することで感染を未然に防ぐサービス。Expert on Guardはトレンドマイクロが同日に開催した2008年度戦略発表会において明らかにされた。
大三川代表は「Expert on Guardはモニタリング(監視)がベースになっている(サービス)」と説明。その上で、24時間365日体制で感染を早期に発見し拡大を防止すること、顧客と情報を共有すること、レポートを提供することが特徴だと分類してみせた。
Expert on Guardでは、リージョナルトレンドラボ内に設置されたTrend Micro Monitoring Operation Centerが顧客のウイルス対策状況を監視。最新パターンファイルが適用されていないPCが基準値を超えた場合に通知するほか、ウイルス感染が発覚した場合は対応手順もあわせて通知する。
情報共有という点では、「複数のユーザーを世界中で監視している」(大三川氏)ことから、監視から得られた「特性、気づきを(顧客に)提供し、感染を予防」(同)していくという。具体的には、増加傾向にあるウイルスや危険性の高いウイルスが顧客の環境で確認されていない場合でも情報として提供し、感染予防を図るサービスとなる。
また、レポートサービスとして、月次報告の「Expert レポート」、四半期ごとの「Malware Security Analysis Report」を提供する。後者ではトレンドマイクロのスレットリサーチエンジニアが顧客環境の監視結果をもとにセキュリティレベルの向上に必要なコメントを記載し、予防策を提案していくものとなる。また、四半期もしくは年次で報告会を実施し、セキュリティ対策の改善を支援していく。
そのほか、最上位メニューのExpert on Guard - Premiumのユーザーには、顧客の環境で特定のウイルスの感染被害を確認した場合、駆除ツールを作成、提供していく。
トレンドマイクロがアジアで展開している同種サービスとしては、5つの国と地域で422社、34万クライアントで導入されている実績があるという。リージョナルトレンドラボ(上海)では中国の130社を、リージョナルトレンドラボ(台湾)では台湾の266社を、トレンドラボ(マニラ)では3つの国と地域で26社を監視、サービスを提供している。そのほか、トレンドマイクロによる遠隔監視ではなく、インハウスとして企業内に展開している事例もあるという。今年は日本のほか、「オーストラリアとニュージーランドでも始めたい」と大三川氏は語っている。
参考価格はExpert on Guard - Basicが146万円(最小クライアント数1〜499、最大2999)、Expert on Guard - Standardが278万円(1000〜1499クライアント)、Expert on Guard - Premiumが589万円(同、トレンドマイクロプレミアムサポートを含む)で、いずれも1年間のサービス料金(全て税別)。次年度以降の契約更新料は契約発注時の標準価格100%の価格となる。
トレンドマイクロは2月1日から、豊田通商の関連会社であるティティネットワークインテグレーションアジアと協業し、アジアの日系企業向けに同様のセキュリティサービスの提供を始めている。