なぜ今企業に「検索基盤」が求められるのか
企業情報システムにおける新たなキーワードとして、「Enterprise Search Platform」(ESP:企業内統合検索基盤)という概念がにわかに注目を集めている。……と言うと、読者の中には「なぜ今さら検索?」と首をかしげる人もいるかもしれない。たしかに、PCを使った情報の検索という作業は特に目新しいものではなく、多くの人が業務や個人的な情報収集の一環として日常的に行っているものだ。
例えば、新たな企画書の作成にあたって過去に作成された類似の企画書を探す、受信したメールの中から特定の人が差出人のものだけを抽出する、ある会社との一定期間の取引実績を参照する、メールやウェブを通じて寄せられた消費者の意見から、ある商品に関するものだけを一覧する……。これらはいずれも、デジタルデータとして社内に蓄積された情報の中から、ユーザーのニーズに応じて必要なものを探し出す「検索」だ。
多くの場合、企業で働く人々は、これらの検索機能をアプリケーションごとに使い分けて作業を行っている。メールを探すときには、メールソフトの検索機能を使い、文書の検索であれば、ドキュメント管理システムの検索機能を使う。イントラネットの情報を探すのであれば、イントラネット内の検索ページを使い、さらに販売データを参照したければ、業務システムのクエリ機能を使うといった具合だ。
個別のニーズから立ち上がったシステムの検索の方法はそれぞれ異なっており、別のシステム上のデータを検索したい場合は、そのシステム独自の方法を使うというのが、多くの企業における「検索」の実情だろう。
企業に蓄積されるデジタルデータの加速度的な増加は、業務に必要な情報を「検索する」ことの重要性を増加させ、同時にユーザーが必要な情報にたどり着くための作業時間も増大させた。こうした背景から、企業内の「あらゆる情報」を「同一のスキーム」で、「より効率良く」検索するためのシステムに対するニーズが高まっている。
ESPの基本的な考え方は、企業内のあらゆるデータに対して一元化されたインデックスを作成し、ユーザーは自分の必要に応じた情報を、統一された検索方法によって探し出せる情報基盤を作っておこうというものである。これまで個別の方法を使って探していた情報のすべてに、「検索」というひとつのやり方で、たどりつけるようにしようというわけだ。
ESPの概念図。ESPでは社内に存在するあらゆるシステムのデータに対してインデックスを作成し、統一された方法での検索を可能にすることを目指す。また、ユーザーが利用するさまざまなアプリケーションに対して、その検索機能を埋め込めるべきである。
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