企業ユーザーが「Windows Vista」にアップグレードすべきか否か、またアップグレードはいつすべきかについて、かなり意見は分かれているが、「Office 2007」は同じような運命に苦しんではいないようだ。
Forrester Research(同社は過去数日間に次から次へと調査を出している)によると、企業はOffice 2007を急速に導入することになるという。Forresterが調査した北米と西欧の259人のIT方針決定者のうち40%以上が、すでにOffice 2007を導入したという。
「Office 2007の採用はみなが想像していたよりもかなり健全なようである」と同調査の研究を主導するKyle McNabb氏は述べた。「多くの企業がこれを『Service Pack 1』とともに採用している。」(McNabb氏)
Forresterの報告書「The State Of Microsoft Office 2007 Desktop Adoption」における他の調査結果としては以下がある(Forresterのリサーチサービスの加入者のみに提供されている):
- 調査対象者の大半が今後12カ月内にOffice 2007を配備する計画である(21%がただちに、43%が6カ月内に、そして29%が12カ月内に)。
- 「SharePoint Server 2007」はほぼ同じペースで配備され、多くの場合Office 2007と歩調を合わせている。
- 調査対象者のうち43%がOffice 2007の導入はPCハードウェアのアップグレードと連携していると回答。
- Office 2007 SP1のリリースにより「2007暦年に多くの前進を阻んでいた障壁が取り除かれた」。
従来の見識では、新リリースへのアップグレードに関連したコストを節減するために、多くの企業がWindowsとOfficeの新バージョンを同時に配備することを好んでいる。しかしWindows VistaとOffice 2007についてはそのルールが通用しないようだ。今週に入ってリリースされた別の調査結果の一環として、Forresterは企業によるVistaの導入が緩慢であるとしていた。企業によるVistaの導入は2007年中に5%ポイント強伸びて6.3%となったという。
(MicrosoftはVistaの売上が企業と消費者の間でどのような割合になっているかを一般に公開していない。)
筆者はMcNabb氏に対し、本調査の対象となったIT専門家が、「Office 14」が出るのを待つか、Office 2007にアップグレードするかで迷っていなかったかと質問した。やはり Office 14はいまでも2009年にリリースされると噂されている。McNabb氏はこの選択肢を検討している向きは「非常に少数派」だと答えた。「Microsoftは多くの顧客に対しOffice 14ではデスクトップ上で大きな変更を期待しないようにと伝えている」ことを理由としていた。
それではGoogle Appsはどうか?調査を受けたIT専門家のなかにはOffice 2007に代替する完全にGoogleがホストする製品を真剣に検討している者はいるだろうか?
「企業はOpen OfficeとGoogleに注目しているが、まだそれに移行することまでは検討していない」とMcNabb氏は述べている。「(Microsoftの」代替製品を本格的に推進しようとしているのは1%未満である。」(McNabb氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ