Microsoftのコード名「Midori」というWindows後のオペレーティングシステム(OS)に関する筆者の記事は、この1週間でいくつかの興味深い反応と、新しいヒントとなりうる情報を引き出した。
MicrosoftのMidoriは「Midori Linux」の取り組みであるとか、軽量ウェブブラウザプロジェクト「Midori」の派生品かもしれないと憶測するメモを送ってきた皆さんへ:筆者はこうした他社のMidoriプロジェクトがMicrosoftのMidoriとは無関係だと考えていることを改めて申し上げたい。
MicrosoftのMidoriは、わずかに拾い集めた情報からすると、Microsoftの次世代OSであり、現在「インキュベーション」中である――これはMicrosoft Researchの典型的なプロジェクトよりは早期にローンチされる可能性があるが、「Windows 7」や「Windows 8」の必要性を除去するほど早くはないことを意味する。換言すると、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏が退任する前だが(Ballmer氏自身は9年ほど先のことと述べていた)、2009年後期または2010年初期(Windows 7の目標日程)以降のいつの日かデビューするかもしれないWindows以外のOSのことを、私たちは考えているということだ。
先週も指摘したとおり、筆者の情報筋はMidoriが「Singularity」と何らかの関係があると述べていた。SingularityはMicrosoft Researchによる非WindowsベースのOSをいちから開発するという取り組みである。Midoriは現存しているWindowsが究極の目的ではないということを実現させるものだ。Microsoftはこの先何が起こるかを考えずに、同社の主力商品のアップデートをただ提供し続けるようなことはしない。
(MicrosoftのOSプランに関する別の見方について、Ed Bott氏の記事「Why you’ll have a long wait for Microsoft’s next OS.」を参照されたい。)
筆者がMidoriについて最初のブログエントリを投稿して以来、いくつかの追加的な(そして未確認の)ヒントを入手した。とりわけ興味をそそられた情報はこれだ:Midoriは日の目を見ることがなかった同社の分散型のオブジェクト指向のオペレーティングシステム「Cairo」を再び実現しようとする試みである、というものだ。
このことをよく考えてみろと同情報筋は言う。Midoriプロジェクトを率いるEric Rudder氏は「Gates」タイプの人物であり、「Ballmer」タイプではない。Gates氏が長年温めてきたが報われなかった、しかし依然としてMicrosoft会長が愛したプロジェクトがいくつかある。考えてみると、Cairoはそのようなリストでは上位に入っているはずだ。(Gates氏の「すぐ入手できる情報(information at your fingertips)」ビジョンを覚えているだろうか?これはCairo、そしてもっと最近では、不運に終わった「WinFS」が目指していたものだ。)真にオブジェクト指向の分散型オペレーティングシステムというGates氏のビジョンを実現させるのにRudder氏ほどふさわしい人物はいないのではないか?と同情報筋は言うのだ。
Cairoはカムバックを果たすことができるのか?予想通りMicrosoftからはコメントが得られない。しかしMidoriがCairoからエジプト風のコード名を取り除いたものなのかどうかは別として、それはMicrosoftの未来にとって重要なことである。
Appleや他のOS開発者らが長年かけて学んできた通り、軍馬にいつまでも傷あてを付けられるわけではない。ある時点で、最初からやり直す必要が出てくる。とはいえ、10億人というWindows PCの強力なユーザー基盤のサポートを段階的に廃止するというのは、Microsoftが軽い気持ちでできるようなプロジェクトではない。同社ウォッチャーならご存知の通り、Microsoftは、Windows XPとWindows Vistaの互換性問題が十分に裏付けされているというのに、アプリケーション互換性の重要性を見くびるような会社ではない。
Microsoftは長期的にWindowsを引き継ぐのはどんなOSになるかということを考えているはずである。筆者個人としては、それでもMidoriが結局はWindowsのようなものになったとしても驚かない。
読者はどう思うか?Midoriはどんなものとなるのだろう?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ