2年以上経って、ついにMicrosoftは米国時間8月8日に「Fiji」別名「Windows Media Center TV Pack」について正式なコメントを出した。
Microsoftは、特定のOEMパートナーが新しいVista Media Centerアップデートを新システムにプレロードして出荷し始める9月3日までは、Fijiを商用で提供する予定はないが、Fijiチームはようやく、それに関する「憶測やうわさを整理する」ために口を開くことを決意した。
(個人的には、憶測が数多くあるとは思わないが、怒っているFijiベータテスターは多いようだ。筆者はこのコード名を初めて聞いた2年前からFijiについて書いてきたが、8日に至るまでMicrosoftからはFijiに関していっさいの正式な情報が得られなかった。)
こんなことを言っても効果があるかどうか分らないが、以下がWindows Media Centerのプロダクトマーケティングマネージャーを務めるBen Reed氏から得られたMicrosoftの声明である:
「2008年7月16日に、MicrosoftはWindows Vista Home PremiumとWindows Vista Ultimateに付属しているWindows Media Centerのアップデート版をOEMパートナーにリリースした――このアップデートは「Windows Media Center TV Pack」と言及されている。ユーザーができる限り最善の体験を得られるように確保するために、このアップデートはOEMからしか提供されない。OEMが素晴らしい顧客エクスペリエンスのためのテスティングとハードウェアのコンフィギュレーションを提供するのに最適な立場にあるためである。これは一部の地域ではWindows Media Center TV Packに特定の技術またはハードウェアが要求され、OEMが最も適切に処理できるという事情による。わが社はOEMパートナーがWindows Media Center TV Pack製品に関する最終的な決定を下す際に密接に協力している。
「Windows Media Center TV Packは以下を含む追加的な国際的放送規格へのサポートを付加することに主として注力している:
- 日本のデジタルTV規格である「Integrated Services Digital Broadcasting – Terrestrial (ISDB-T)」
- 欧州の衛星デジタル放送規格である「Digital Video Broadcasting – Satellite (DVB-S)」
- 欧州におけるユーザーエクスペリエンスを改善したデジタルTVである「Digital Video Broadcasting – Terrestrial (DVB-T)」
- 米国における「ClearQAM (Unencrypted Digital Cable)」
- 日本の「Interactive television with integrated Broadcast Markup language (BML)」と欧州の「Multimedia and Hypermedia information coding Expert Group (MHEG) (MHEG5)」
「本バージョンにはサブスクリプションベースの衛星チューナーまたはH.264動画規格のネイティブサポートは含まれない。わが社はベータリリースにおいて多くの機能をテストし、最善のユーザーエクスペリエンスのために、最終コードにおいてわれわれの機能セットを最適化する。
「コンテンツのパートナーシップや強化された機能を追加することで、Microsoftが世界中の顧客にとってのWindows Media Center体験を改善し続ける予定であることを、Windows Media Centerコミュニティにぜひ知ってもらいたい。このような発展があり次第、明らかにしていく予定である。」
テスターたちから得たフィードバックを踏まえると、「Fijiは長期的にはコーディネーションが最悪であったMicrosoftによるプロジェクトのひとつとして歴史に残るであろう」とするMicrosoft Media Centerの「Most Valuable Professional」であると称するChris Lanier氏のコメントが真実味を帯びてきたように思える。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ