Googleがオープンソースの携帯電話向けソフトウェアプラットフォームによって携帯電話市場を開拓する決定をしたことに関しては、いろいろと指摘するべき良い点(悪い点も)があるが、ちょっと識者たちの意見を聞いてみよう。
Google共同創設者兼技術部門担当社長のSergey Brin氏(OpenDotDotの引用から):
それを見ると10年前に大学院生用の小部屋にいたときのことを思い出す。われわれはすばらしいものを作ることができた。それを可能にする一連のツールもあった。すべてがオープンな技術だった。Linux、GNU、Apacheに基づいたものだった。そうしたソフトウェアやその他のさまざまなツールによってすばらしい成果物を作り上げて、それを世界に配布することができた。それは現在でも実行されていることであり、その結果、人々は今日のモバイル機器を技術革新することが可能になっている。現在のモバイル機器はわたしがほんの10年前に使用していたコンピュータよりも高性能である。今日のイノベーターたちが何を作り出すのか早くこの目で見てみたい。
そして誰もがGoogleのようにオープンソーステクノロジによってシステムを構築するようになるだろう。なぜか。それは、プラットフォームという車輪をベンダーごとに1つずつ再発明するのは無意味であり非効率的だからだ。
Sunの最高経営責任者(CEO)Jonathan Schwartz氏:
わたしは(中略)Sunに、プラットフォームを中心とした完全な開発者環境に取り組む最初のプラットフォームソフトウェア企業になってもらいたいと考えている。なぜなら、その取り組みを推進する目的でSunのNetBeansモバイル機器向け開発者プラットフォームを投入しているのだから。当社はあらゆるJavaベースプラットフォームで開発者をサポートするために尽力してきた。そして、そのリストにGoogleの「Android」を加えることができてうれしく思っている。
モバイルオープンソース企業FunambolのCEOFabrizio Capobianco氏:
今日、モバイルオープンソースを大いに称賛する人間は決してわたしだけではない。巨人GoogleがOpen Handset Alliance(OHA)を発表した。強力な企業のグループがAndroidという携帯電話向けのオープンソースインフラストラクチャを構築するために一致協力した。
まったくすばらしい。Googleよ、モバイルオープンソースの世界にようこそ。われわれはこの取り組みを次なるレベルに高めてくれる有力者が必要だった。オープンネットワーク、オープンソース、オープンデバイス。それこそがモバイルの将来だ。われわれはほんの端緒についたに過ぎない。
しかし、Googleに関することがすべてすばらしいわけではない。ZDNet.comでブログを執筆するDana Blankenhorn氏がわれわれにそのことを思い起こさせてくれる。
これはParis Hilton的な製品発表である。外見も美しいし(と世間は言っている)、からんでいる金額もすごい、しかしその派手な宣伝は別にして実体はどうなのか。Hilton氏の場合、中身は乏しかった。どこかの時点で市場はGoogleに対して、それをやめるか黙っているかどちらかにしろと通告することになるだろう。検索エンジンの広告だってそれほど魅力的ではない(やはりHilton氏と同じだ)。
この場合、Googleはどの企業に対しても直接的なライバルにはなっていない。重大な資金を賭けて勝負に出ているわけではないし何もリスクにさらしていない。
PC MagazineのリードアナリストSascha Segan氏:
「Gphone」は存在しなかったということだ。今後も決して出現しない。Googleと多くのワイヤレスのパートナー企業は今日、Androidソフトウェアプラットフォームを発表した。これは基本的に携帯電話にLinuxを載せて魅力的なAPIを搭載し、多数のソフトウェア開発者と携帯端末メーカーを獲得しようという試みだ。
新機軸を求めている米国のワイヤレスの消費者にとっては、これは全く意味がない。
その理由は、製造業者や通信事業者はAndroidを使用してプロプライエタリでクローズドなソフトウェアを満載した、不自由で閉鎖的な電話を自由に作れるからである。
最後に、RedmonkのアナリストStephen O’Grady氏はGPLとApacheのライセンスを混合させていること(これはフリーソフトウェア財団がわれわれに熟慮を促すような大きな問題ではない)について深く考え、「いかにして?」と尋ねている。
わたしが理解できないのはこのことだ。Google(とその協力者たちは)は、いかにしてGPLライセンスの下で配布される「オープンなLinuxカーネル」の上に構築され、それ自身が「『ウイルス感染』の問題から」採用希望者を保護し、「商業化しやすい」Apache v2ライセンスの下で配布される「a complete mobile-phone software stack(完全な携帯電話ソフトウェアスタック)」を構築できると考えたのだろうか。尋ねられる前に自分から認めてしまうが、括弧でくくった部分は直接の引用だし、それを使用するのが極めてお粗末だということもわかっている。しかし、Googleよ、君にはもっと多くのことを期待していた。
わたしは別にそこに矛盾点があるとは思わない。スタックはLinux上で動作する。LinuxはGPLだ。スタックはGPLではない。これらは互いに相反する必要はない。ちょうどLinuxサーバの上でプロプライエタリなソフトウェアを動作させるのに何の問題もないように。
しかし、これはこれでまた別のブログの記事になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
関連情報
-
GPhone対iPhone:セキュアなのはどっち?--さっそく議論が勃発
グーグルが今週、待望のモバイルプロジェクトを発表するやいなや、このプロジェクトにおけるLinuxをベースとしたプラットフォームのセキュリティについて、議論が起こった。 - 初のグーグル「Android」対応アプリ、早くも登場か [From CNET Japan]
- ベールを脱いだグーグルの携帯電話プラットフォーム「Android」 [From CNET Japan]
- グーグル、携帯電話向けプロジェクト「Android」発表か
- グーグル電話「Gphone」、2週間以内に発売の噂 [From CNET Japan]
- グーグルの「Gphone」が失敗するこれだけの理由 [From CNET Japan]
「経営が知るべきバズワード」 の新着情報
-
日立ソフト、「SecureOnline 出前クラウドサービス」発表--導入負担を軽減
日立ソフトは7月1日、ブレードサーバやストレージなどを収容したラックを顧客のデータセンター内にレンタルする「SecureOnlin... - SAP、GRCソリューション最新版を発表--コンプライアンスは経営の要と説く
- マイクロソフト、分散アプリサーバ「Dublin」のテスター受付開始
- サイオス、企業のOSS活用によるコスト削減を支援する「OSSワンストップソリューション」提供開始
- VA Linux、クラウド基盤の導入を支援する新サービス「Cloud Quest」を発表
- 経営が知るべきバズワード 一覧へ »
「オープンソース・オン・ザ・ロード」 のバックナンバー
-
Benchmarkが「Ruby on Rails」のサポート企業に投資した事実から何が学べるか
Benchmark Capitalが「Ruby on Rails」の商用サポートを提供するEngine Yardに350万ドルを投資した。著名なベンチャーキャピタルがサポート企業に投資した意味を考えてみる。 -
オープンソースとロングテールの関係:Wired編集長C・アンダーソン氏のインタビュー
-
オープンソースに対する考え方はこんなに違う!--欧州vs北米
-
SAP、優先プラットフォームとして「SUSE Linux」を選択
-
ガートナーのオープンソースハイプ曲線を見て
- オープンソース・オン・ザ・ロード 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
Windows 7の情報満載
MicrosoftのすべてがわかるZDNet Japanの総力特集 -
バズワードの裏側みてみませんか?
SaaSにSOA、仮想化までビジネス視点からバズワードを斬ります
企画特集
-
集積度も性能も、業界最高水準のブレードPC
サーバの実装技術を、シン・クライアントへ応用 -
パンデミック対策特集
2009年のパンデミック発生から再考する事業継続計画 -
インターネット上の悪意を未然に防ぐには?
ブラウザに備わったセキュリティ機能を徹底解説 -
SOA、BPM、SaaS −今、企業に必要なこと
ビジネス・アプリケーションの今を網羅する特設サイト -
◆エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新◆
不況下でも急成長の秘訣とは?注目企業の取組みも公開! -
そのストレージで仮想化に対応できますか?
メリット盛りだくさんのサンのオープンストレージ製品 -
セキュリティ&ユーザ事例【SIer Club】
最新のセキュリティ情報と提案事例が満載 -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
ロリポップ!がリニューアル
【第1回】創業者の家入一真氏が語る誕生秘話!! -
ストレージメディア特設サイト開設
仮想化環境において最適なソリューションを! -
今注目の「サジェスト検索」−デモ掲載中
システムのユーザビリティに革命を起こす技術とは -
【徹底対談】運用管理ツールの賢い使い方
市場背景〜仮想化管理までアナリストが解説! -
ESBでIT投資の無駄を劇的に解消する
IBM IMPACT 2009を徹底レポート! -
中小企業のセキュリティリスクとは?
導入する側・される側 得するセキュリティ製品 -
仮想環境を実現するソリューション特集
仮想化導入時、こんなところ気にしてますか? -
サービス・ドリヴン・データセンター
コスト効果の高いデータセンター構築には? -
エンタープライズにおけるSUSEの強み
次世代データセンターの基盤は11だ。 -
■ストレージ容量50%削減保証■
ネットアップによる削減保証キャンペーン実施中 -
サーバー監視・運用のコストを削減するには
エージェントレス方式を用いたパトロールクラリスで
ZDNet Japanからのお知らせ
- ご回答にはCNET_IDご登録が必要です。
-
17. Intel Threading Building Blocks
オライリーブックから出版されている「Intel Threading Building Blocks... -
18. Intel Integrated Performance Primitives
単に最適化コンパイラを使うよりもパフォーマンスを良好にするルーチン...
新着企業動向
-
ワンダーウォールなど3社、サイトに花を贈れるサービス「花サイト」をプレ・リリース
ワンダーウォール -
After J-SOX 2年目の監査は甘くない!
NTTソフトウェア -
【isle(アイル)】 共用サーバー初期費+ドメイン費用全額還元キャンペーン(最大27,300円...
GMOホスティング&セキュリティ -
セキュリティ・コンサルティング
NRIセキュアテクノロジーズ - 企業動向一覧へ»
サーバやOS、アプリケーションなどの世界ではオープンソーススタンダードが市場を牽引する現在、ストレージの世界でもオープン化の流れが始まっている。
幸い今回は弱毒性で大事には至らなかったが、まだ油断はできない。企業活動を停止すると、大きな経済的損害や社会的信用の低下を招いてしまう。 
