What's up man? 英語楽しんでますか?
最近、お子様を小さい頃から英会話教室に通わせる方が多くなってきました。子供の頃から英語に接していれば自分のように大きくなってから英語で苦労することもないはず――そんな思いの親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、実際にうまくいっているのでしょうか?
なぜ英語ができるようにならないの?
子供は、英会話教室に通っている幼少期には、平気で英語で質問したり答えたりします。しかし、中学校に入り英語の授業が始まると、途端に今までできていたことができなくなるという不思議な状況に陥ります。なぜでしょうか? 子供は、反射的に身体で覚えた言葉を発します。しかし、英語教育が始めると、言いたいことを理屈で分析してから答えるようになります。今まで覚えたことを、英文法というブラックホールで理解しようとし、発するべき言葉を失うのです。ここから英語のつまずきと挫折が始まります。アメリカンスクールにでも入らない限り、どんな素晴らしい英会話教室に通っても同じような結果になるでしょう。
英文法が煩わしいなんてモッタイナイ
現在完了、過去完了、現在分詞、過去分詞、関係代名詞…… 多くの人は、このような英文法のブラックホールに捕らえられ、英語の楽しさを忘れてしまいます。でも、ちょっと待って下さい。英文法は本来、皆さんをブラックホールに突き落とすものではありません。とても便利なものなのです。文法とは、文章を組み立てるためのルールで、そのルールに沿って文章を作れば、言葉があまり身についていない外国人でも相手に確実に通じるという便利な道具なのです。
では、なぜ英文法がブラックホール化してしまい、皆さんを惑わすのでしょうか。理由は2つあります。
1. 優先順位の高いものから低いものまで、同じように学んでいる
本当に優先順位の高い英文法は、シンプルで数も少ないのです。ほとんどの英語が苦手な人は、優先順位の高い英文法を理解しないまま、次々と難しい文法を頭に詰め込まされます。あまりに多くの文法事項が次から次へと頭に入ろうとするため、分析が間に合わないのです。
2. 例外事項もすべて「英文法」として扱われている
言葉は生き物です。すべての言葉を文法で説明しようとするのは言語学者の趣味の世界で、英語を使う人には必要ありません。優先度の高い英文法は応用範囲が広いため、理解しておくと大変おいしい。でも、応用の利きにくい、つまり文法として説明しにくい事項は、理屈ではなく暗記すべきです。極端な話ですが、「かしこ、かしこまりました、かしこ!」なんて表現を文法的に解釈しても仕方ないですよね?(笑)
文法がしっかりできれば、メールでのコミュニケーションは問題なくなります。しかし、いざ電話会議や面接となると、自分の英語がさっぱり相手に通じない。なぜでしょう? 日本人の話す英単語が聞き取りにくいのです。文法という法則を覚え、単語を蓄積していっても、結局通じないなんて……。これは何とかしないといけませんね。
まずはコミュニケーション能力を!
では、どうすればいいのでしょうか? まずは、英文法の先入観を捨て、なぜ通じないのか考えてみましょう。すぐに英文法の勉強に取りかかってモヤモヤした気持ちをすっきりさせたいのもわかりますが、まずはコミュニケーションという視点で英語に取り組むのです。英文法はそのあとです。そして実際に英文法に取り組む時は、優先順位の高いものから身につけて、例外は丸暗記する。その繰り返ししかありません。
これからの数回は、文法は無視します。第0文型として、エリック松永の英語道場でコミュニケーションするための英語を扱います。ここで学んだものを、ぜひ誰かに教えてあげて下さい。きっと、教えるあなたも、教えられる誰かも、英語嫌いを解消するいいきっかけになるはずです。教えることは自分の知識の定着にもつながります。勉強会でもいいですし、彼氏や彼女、お子様に教えるのもいいかもしれませんね。さあ、英語を楽しみましょう!
Peace out,
Eric
筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。著書に「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)がある。
イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。