What's up, man?
桜が咲き始めた頃から急に暖かくなってきましたね。街を歩いていると、新しいスーツに身を包んだフレッシュマンの姿が目立ちます。皆さん、やる気に満ちあふれていて、見ている私も身が引き締まる思いがします。
こんな私にも(!?)初々しいフレッシュマン時代がありました。1990年の初めです。当時はバブル後期でしたが就職戦線は絶好調で、前途洋々で入社式を迎えたのを今でも覚えています。あの頃は私のような一部の英語使い以外、それほど英語の必要性に迫られておらず、とりあえずTOEICを800点程度取っておけばOKといったような時代でした。しかし、厳しい経営環境の中、企業が海外抜きにビジネスを進めることはなくなり、英語だけでなくグローバルな感覚が求められる時代になってきました。
こうした状況では、TOEICで高スコアを取れば済むわけではありません。単に高スコアだけを目指しても、点取りのテクニックが磨かれるだけで無駄な勉強時間を過ごしてしまいます。今回は老婆心ながら、グローバル時代を生きる新社会人に向けた英語に関する3つのポイントを伝授したいと思います。
TOEICの「お勉強」は最低限に
TOEIC関連の本は山ほど出版されています。フレッシュマンが陥りやすいのは、お受験気分でTOEICのスコアアップを目標としてしまうことです。TOEICはコミュニケーションに必要な英語を試す試験なので、文学を理解できるような深い言語知識は必要ありません。例文もあっさりとした内容がほとんどなので、真面目に勉強すると飽きてしまいます。
TOEICを勉強する目標は何でしょうか? グローバルな感覚は言葉ではありません。TOEICは、ビジネスでコミュニケーションする際のツールのひとつである言葉が身についているかどうかを試す試験に過ぎないのです。最低限の言葉のルール(パターン)が身につけば、おのおのの専門分野に関する言葉を当てはめていくことになります。専門分野での言葉はTOEICには全く含まれていません。つまりTOEICでは、最低限の言葉のルールだけを身につければいいことになります。
最低限の言葉のルールは、いわゆる英文法を制覇することで身につきます。効率的な勉強のポイントは、ひねった問題を完璧にしようとTOEICの文法参考書を買いあさるのではなく、過去に受験で使って慣れ親しんだ文法書を棚の奥から探し出し、それを完璧にやり直してください。それだけで充分です。文法書の勉強方法については、「夏休みこそTOEIC対策を考えてみよう--エリック松永の英語道場(6)」に詳しく書いてあるので参考にして下さい。ここでのポイントは、TOEICの「お勉強」を最低限にして、できるだけ多くの時間を実りある英語を身につける時間とすることです。
グローバル感覚は仕事に対する姿勢から
グローバルの世界では、「accountability」(説明責任)という言葉を常に念頭に置かなければなりません。いろいろな考え方の人が集まるグローバルな場では、「あうん呼吸」が通用しにくいためです。
Accountabilityを全うするためには、受身では話になりません。どんな「Why?」にも答えられるような仕事をする癖をつけるべきでしょう。例えば、与えられた仕事をただこなすのではなく、自分が与えられた仕事の全体像やその部分の意味を知り、その全体像からいつまでに、どのレベルで仕事をしなければいけないのか、報告をどの程度の頻度で誰にすればいいのか、この仕事は次にどう発展していくのか、自分がこの仕事をするにあたって自分の価値をどこで出せるのかなど、考えておくべきことはたくさんあるはずです。先輩を質問攻めにしてもかまわないので、どんどんやって下さい。