多くの「Why?」に対する答えを自分で考えることによって、Accountabilityの感覚が自然とついてきますし、何より自分で判断できるようになるのが一番の収穫です。自分で判断できるということは、これから変な仕事のストレスをためないためにも重要です。Accountabilityに関しては、「日本のビジネスマンがグローバルビジネスになじめない理由--エリック松永の英語道場(11)」を参照して下さい。グローバルな感覚についても、英語道場の過去の記事を参照するのがお勧めです。
世界中の情報をキャッチする癖をつける
「お勉強」は一般的に継続が困難です。受験であれば終わりが見えますが、社会人生活では、学生時代のような目先の決まった区切りがありません。一時的に厳しい修行をしてTOEICで無理やりハイスコアを取っても、長い社会人生活ではあまり意味がないのです。
私がお勧めする英語上達のための方法は、何か興味がある事柄を中心に世界の情報をリアルタイムでキャッチする楽しみを知ることです。何に対しても興味がなければ、必要に迫られる状況を作りだすのもいいでしょう。とにかく生きた英語をリアルタイムでキャッチする癖をつけるのです。
例えば、IT業界で仕事をしているのであれば、このZDNet Japanのサイトを毎日チェックする人も多いと思います。気になった記事が海外のZDNetの翻訳記事であれば、元記事となった英語の記事を見たり、最新のプレスリリースを海外本社のホームページでチェックしてみましょう。内容が身近なので少々単語がわからなくても気にならないはずです。
また、海外のファンドに投資してみるのも手です。値動きだけでなく、ファンドが投資している企業や市場などにどんどん興味がわいてきて、Bloombergをチェックするのも楽しくなるはずです。
ほかにも外国映画やドラマが好きであれば、やはり原語で映画をより深く理解したいと思いますよね。人と接するのが好きであれば、勉強会などに参加するのもいいと思います。私も金融やIT、経営といった勉強会に参加し、情報を仕入れたりしています。そういう興味をベースにどんどんいろいろな情報にタッチしていくのです。
今はインターネットがあるので、お金をかけなくても大量の情報が手に入るようになりました。幸せな時代です。最近では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といった新しいコミュニケーションも一般的になってきました。mixiに慣れたら、今度は海外発のFacebookやTwitterなどを活用し、情報だけでなくコミュニケーションそのもので世界を広げるのも面白いと思います。私の場合、Facebookを通じて昔の同僚やプロジェクトで一緒になったさまざまな国籍の友人といつもつながっていて、海外メディアで報道されていることを現地にいる友人を通して確認することも多いのです。
基本的に、こうした生の情報で培われるボキャボラリーはレベルが高いはずです。TOEICの単語集を買うよりは、これらの情報を得るときにわからなかった単語をメモに取り、自分だけのオリジナル単語集を作りましょう。
焦ることはありません。社会人生活はマラソンです。英語だけでなく仕事に関しても「継続こそ力」で、続けていると後で大きな差がつきます。焦らず謙虚に着実に、そして何より楽しんで英語を学びましょう!
Peace out,
Eric
筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。
イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。