サンフランシスコで6月に開催されたStructureカンファレンスにおいて、筆者はハイブリッドクラウドコンピューティングをテーマとするパネルディスカッションの司会という名誉な役目を務めた。パネリストには、Eucalyptusの最高経営責任者(CEO)のMarten Mickos氏、RightscaleのCEOであるMichael Crandell氏、AT&Tの戦略および事業開発担当バイスプレジデントJoe Weinman氏など、クラウドコンピューティングの先駆者たちが含まれていた。
Mickos氏はそのディスカッションの中で、Eucalyptusは「Amazon Web Services(AWS)」のAPIを「80年代のPC標準のような標準になる可能性を秘めたもの」と見ているという趣旨の発言をした。PC標準によって、さまざまなコンピュータメーカーが1つのハードウェア標準を共有できるようになり、OSとアプリケーションの革新が実現した。
クラウド・ゲートウェイ・アプライアンス・ベンダーCloudSwitchの創設者で、製品担当バイスプレジデントを勤めるEllen Rubin氏は、Mickos氏の主張を受けて、AmazonのAPIが今日の標準になれるかどうかを批判的に考察した記事を執筆した。以下はその記事からの抜粋だ。
業界標準のようなものがあるとすれば、Amazonは間違いなく自社が標準であると強く主張できる立場にいる。同社は明白なリーダーであり、その技術は他の追随を許さないものだ。クラウドコンピューティングの進歩にも大きく貢献してきた。AmazonのAPIは多くの実績があり、広く使用されている。Amazonのクラウドは拡張性に優れ、あらゆるクラウドの中で飛び抜けた人気を誇っている。したがって、クラウドコンピューティングをメインストリームに押し上げるにあたって主導的な役割を果たしたという点については、Amazonの功績を全面的に認める。しかし、そのことでAmazonが業界標準の基盤になるべきだと主張するのは大きな飛躍である。
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