「OpenStack Newton」が米国時間10月6日にリリースされた。これは、オープンソースのクラウドソフトウェア「OpenStack」の14番目となるバージョンだ。
OpenStack Foundationは、Newtonの新機能によってコンテナのクラスタ管理やネットワーキングにおけるユーザーエクスペリエンスが向上するとともに、スケーラビリティと弾力性が強化されると述べている。
OpenStack Foundationは、ベアメタルプロビジョニングのためのコンポーネント「Ironic」や、コンテナのオーケストレーションに向けたクラスタマネージャ「Magnum」、コンテナのネットワーキングプロジェクト「Kuryr」の更新によって、コンテナや、仮想インフラ、物理インフラが単一コントロールプレーンの下で容易に統合できるようになっていると述べている。
また、Newtonをベースにした製品やサービスは「今後、数週から数カ月の間に」利用可能になるという。
OpenStack FoundationのエグゼクティブディレクターであるJonathan Bryce氏は、Newtonによって、クラウド事業者やアプリ開発者に対してより高いセキュリティ性や弾力性とともに、より幅広い選択肢が提供されると述べている。
OpenStackは2010年に開始されたオープンソースプロジェクトであり、一般的なハードウェア上で稼働するパブリッククラウドやプライベートクラウドを構築するためのコンポーネントの開発を目的としている。
ユーザーはOpenStackを用いることで、データセンター内に用意された、コンピュートやストレージ、ネットワークといったリソースの巨大なプールをダッシュボードから制御できるようになるとともに、ウェブインターフェースを通じてリソースをプロビジョニングできるようになる。OpenStackは、パブリッククラウドやプライベートクラウドを構築したいサービスプロバイダーやエンタープライズ、政府機関、教育機関での使用を念頭に置いたソフトウェアだ。
OpenStackは現時点で、Cisco SystemsやDell Technologies、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、IBM、Intel、Oracle、Rackspace、Red Hat、VMwareといった企業を含む、200社以上のベンダーからの支援を受けるとともに、大規模な開発者コミュニティーによって支えられている。OpenStackによると、Newtonは309の組織をまたがる2581人の開発者によって構築されたという。
OpenStack Foundationによると、Newtonでは「Nova」(コンピュート)や「Horizon」(ダッシュボード)、「Swift」(オブジェクトストレージ)のスケールアップ/スケールダウン能力が向上するとともに、「Cell V2」を使用したNovaコンピュート環境の水平的なスケールアウト能力が強化され、「Heat」(オーケストレーションサービス)におけるデフォルトでのコンバージェンス機能が追加され、Ironicのマルチテナント対応能力が増強されているという。
また、「Cinder」(ブロックストレージ)やIronic、「Neutron」(ネットワーキング)、「Trove」(DBaaS)といったプロジェクトにおいて、可用性の強化に向けた更新も実施されているという。さらにNewtonのセキュリティも強化されており、例えば「Keystone」(アイデンティティサービス)ではPCIコンプライアンスや、資格情報の暗号化といった機能が向上しているという。
Newtonの目的には、OpenStackの自動化能力の強化による容易な設定や運用、変更、修正を実現し、運用担当者とアプリ開発担当者の使用容易性を向上させるというものもある。
Magnumはコンテナのオーケストレーションツールである「Swarm」や「Kubernetes」「Mesos」のプロビジョニング機能を提供する。Magnumの新機能にはプラガブルドライバや、ベアメタルサーバ上のKubernetesクラスタ、非同期クラスタ生成に対するサポートが含まれている。
提供:OpenStack
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。