顧客の成功がInformaticaの成功でもある--InformaticaのCEOが語る2007年の抱負 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2007-01-04 17:35

--Informaticaにとって、最大の競合とは?

 自社開発プロジェクトです。

 今年、対応した案件の半分以上は、我々の製品と自社開発を比べている企業でした。これは、データインテグレーション市場が成熟段階において早い段階にあるからだと思っています。別の言い方をすれば、“データインテグレーションを自動化する価値”をようやく我々が提唱し始めた段階といえるでしょう。

 顧客にデータインテグレーションの価値を理解してもらうためには、我々の製品が高いROI(投資利益率)とリスクの低減を実現できることを実証できなければなりません。また、データを統合することで、いかにビジネスの価値を向上できるのかを証明できることも重要です。

--OracleのCharles Phillips社長は、ミドルウェア分野ではOracle Fusion Middlewareのように必要なミドルウェア製品を総合的に提供できることが重要であり、「ポイントソリューションしか持たないミドルウェアベンダーは生き残れない」と話しています。

 Oracleの戦略は、非常に良く理解しています(笑)。Oracleの戦略はとてもシンプルです。すべてのデータを、Oracleデータベースで管理したいのです。しかし、この戦略は顧客が望んでいることとは異なっています。

 現実の企業システムでは、データはOracle Databaseをはじめ、IBM DB2やMicrosoft SQL Server、メインフレームなど、さまざまなシステムに分散されて管理されています。また最近では、MySQLなどのオープンソースデータベスも利用されるようになってきました。

 顧客の要望は、このような分散されたデータをより効率的かつ効果的に活用したいというものなのです。すべてをOracleで管理したいとは思っていないのです。顧客企業は、Informaticaに“中立性”という価値を見いだしていると思います。

 しかし、Oracleは敵ではありません。Oracle BI Enterprise Editionには、Informaticaのデータインテグレーション製品が組み込まれています。また、Hyperionやi2 Technologyなどの製品にもInformaticaのテクノロジが組み込まれています。

 “中立性”というのは、あらゆる企業とパートナー関係を築くことができるという意味も含んでいるのです。

--Informaticaという会社は、今後どのような進化を目指しているのでしょう。

 我々が目指しているのは、あくまでもデータインテグレーション分野における進化です。Informaticaは、データインテグレーション分野に特化しており、どのようなデータであっても最適に統合できるテクノロジを提供することを約束しています

 現在、多くの顧客が抱えている問題は、“部門間に散在するデータをいかに統合できるか”ということです。たとえば、ERPはSAP、人事システムはPeopleSoft、SFAはSiebel、さらに自社で開発したカスタムアプリケーションなどを使っていて、そのデータを統合したいという課題をより最適に解決するための革新です。

 また、より多くの企業がSaaSに注目しています。SaaSにより、データは社内だけに蓄積されているとは限らない時代が近づいています。つまり、データインテグレーションも、次世代に進化しなければなりません。そのためのロードマップもすでに発表しています。

 このロードマップは、「SaaSベンダー各社との接続性の実現」「オンデマンドデータインテグレーションソリューションの提供」「オンデマンドデータインテグレーションプラットフォームの提供」という3つのフェーズで実現されます。

 フェーズ1の「SaaSベンダー各社との接続性の実現」は、「Informatica PowerCenter Connect for salesforce.com」の提供により、すでに実装されています。今後は、SaaSベンダー各社のデータを統合するための仕組みを開発するソリューションを提供するほか、各社のニーズに応えることができる総合的なデータインテグレーションプラットフォームを提供する計画です。

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