サーバ集約の課題解決でブレード戦略第2ステージに突入する富士通--特集:ブレードサーバ市場を探る(5)

柏崎吉一 2007年06月06日 08時00分

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 富士通は2006年6月15日に、ブレードサーバを中核とするハードウェア、ミドルウェア、サービスからなるIT基盤「TRIOLE Blade Server」を発表した。同社では2003年よりブレードサーバを提供してきたが、2006年の発表はブレードサーバをシステム全般の一部としてとらえ、ミドルウェアやサービス、サポートまですべてを含めて提供しようという戦略的視点から、TRIOLEブランドの下でブレードサーバを打ち出したのだ。これは、富士通にとってブレードサーバビジネスの「第1ステージ」の幕開けであった。

 2006年度下期の10月には、7年保守サポート対応のシャーシ製品などから構成されるインフラ最適化モデルを投入した。これは、同社の7000件分の商談を分析し、22パターンのインフラ最適化テーマに分類、テーマ別に6つの最適化モデルを定義したものだ。

武居氏 富士通 パーソナルビジネス本部 PCサーバ事業部 プロジェクト部長の武居正善氏

 富士通 パーソナルビジネス本部 PCサーバ事業部 プロジェクト部長の武居正善氏は、「当社のブレードサーバに関する商談の8割が『サーバ集約』用途だった」と話す。富士通の社内でも、ラックサーバ50台をブレードサーバ20台に集約し、施設関連費用を65%、導入費用を27%、運用人件費を33%削減することに成功した。

 だが一方で、サーバ集約に伴う新たな悩みも聞こえてきた。業務部門では、システム統合により業務がひとつのIT基盤に集約されるため、トラブル時の影響が広がりやすくなることが問題視された。また、情報システム部門では、様々な業務が混在することによる性能干渉や、業務拡大にともなう機器拡張が行いにくい、といった不満も出た。

 こうした課題に対し富士通は5月14日、サーバ集約に伴う各種課題を解決する「第2ステージ」の製品群を発表した。それは、仮想化技術を中核としたハード、ソフトで構成され、業務の追加や変更に対する柔軟性を持ち、運用管理の容易化および業務の継続性を実現するソリューションとなっている。

ネットワーク機能を大幅に強化

 業務の追加や変更に対する柔軟性については、まず性能干渉をネットワーク拡張によって解消するアプローチを採った。

 例えば、今回登場したシャーシ製品「PRIMERGY BX600 S3」は、サーバブレードを結ぶ内蔵スイッチ間のスループットを従来の約4.3倍に強化した。新たに、400Gbpsのスペックを備える10GビットLANを搭載するなど、トータルスループットは520ギガビットに達する。「高速NASストレージやVMwareの利用を想定し、10Gビット時代を見据えた設計となっている」と武居氏は説明する。

 一方、新サーバブレードの「PRIMERGY BX620 S4」では、ブレードあたり最大10ポートを搭載した。現行のBX620 S3におけるブレードあたり6ポートから比べて、その数は大きく増えた。「ラックマウント型サーバに匹敵するポート数であり、大規模なデータセンターでの利用などにも最適だ」と武居氏は自信を見せている。

 また、新しいスイッチブレード「PRIMERGY BX600」は、従来製品と同サイズで約3倍のLANポート数(外部LAN側12ポート、サーバブレード側30ポート)を搭載する。2007年7月には10GビットLAN対応のスイッチブレードも発表される予定だ。

 さらに、仮想化技術によって既存SAN環境への影響を極小化するSAN接続仮想化オプションが注目される。これは2007年9月から提供される見通しだ。

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