仕事に最適なツールは情報伝達の「速さ」と「公開範囲」で考える - (page 3)

後藤康成

2010-02-23 16:48

・グループウェア

 企業内情報共有ツールとしての「グループウェア」は、メールと同時期に普及が始まり、現在ではメール同様、多くの企業に使われている。グループウェアには仕事をする上で必要となる多くのコミュニケーションツール、情報管理ツールが含まれる。一般的に、メールよりは緊急性が低く、かつ広く共有されるべき情報の管理に使われるが、現在ではグループウェアとしてフォローする機能も多岐にわたっており、またメールやブログ、SNSなどの機能を内包するケースもあることから、さまざまなツールの集合体と見ることもできる。

 機能の一例を挙げると、グループ内のアポイント情報やイベントスケジュールが共有できる「グループスケジューラ」。グループ内でのメッセージ交換を行う「社内メール」。不在時の「電話メモ」。出退勤を管理する「タイムカード」。タスクの一覧と状態を把握できる「ToDoリスト」、社内報やイベントなどを告知するための「掲示板」。ウェブブラウザからファイルを共有できる「ファイル管理」、交通費精算、稟議書あるいは作業手順などこれまで紙ベースの捺印で回覧してきたものをウェブブラウザで管理できる「ワークフロー」などがある。

 もちろん、これら全部を使う必要はなく、企業ごとに必要なものを選択し、ルールを定め運用している。

・Twitter

 あえて個別のサービス名である「Twitter」を挙げたのは、その機能や役割がこれまでのICTツールのカテゴリには若干当てはめづらいためだ。現状、Twitterは主に個人間での情報発信ツールとして利用されており、機能としては「ブログ」と「インスタントメッセンジャー」の中間的な位置づけとなる。一般的には「ミニブログ」などとも呼ばれる。情報発信は「ツイート(つぶやき)」と称して140文字以内でメッセージを投稿する。

 Twitterはウェブサービスであり、企業利用においては企業名やサービス名などのアカウント名を取得し、PR部門などがマーケティングツールとして自社製品や自社サービスなどの情報発信として利用している。最近では企業内コミュニケーションツールとしての利用も模索されている。「個人ブログ」から「社内ブログ」といった流れがこれまでもあったことから、今後Twitterのようなツールが、企業内の情報交換プラットフォームとして利用されていく可能性もある。

 今回は「情報伝達のリアルタイム性」と「情報公開の範囲」という2つの軸の中で、どのようなICTツールが存在するかを見てみた。次回は、これらの機能を持つツールの組み合わせが、仕事の実際の場面でどのように機能するかを見てみよう。

Eric
筆者紹介

後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパスCTO。2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。「Zimbra」の日本市場展開、ビジネススケジューラの「feedpath Calendar」事業統括を担当するとともに、メールに変わる次世代企業間コラボレーションツールとして開発中の「feedpath Rooms」のエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントは「feedpath」。

feedpath Roomsについて
フィードパスがクラウドアプリケーションとして提供する、企業間コラボレーションツール。メールに変わるコミュニケーションプラットフォームとして、メッセージ交換機能とファイルの共有機能を提供する。3月1日サービス開始予定!

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