データはビジネス資産かIT資産か--日本と欧米で異なる考え方 - (page 3)

大川淳

2013-06-24 07:30

 われわれのMDMソフトウェアは、このような状況を変えることができる。個人を特定して確認し、日本語ではひらがな、カタカナ、漢字なども識別して英語と結びつける。顧客に関連する商品は、すべてひもづける。ある顧客とそのほかの顧客との関係性も把握する。

 家族、友人、親戚、同僚などもだ。ここは他社のシステムとの大きな違いだ。コンプライアンスにおける顧客の課題は、データ品質管理である。われわれはデータ管理ガバナンス、メタデータ管理といった観点で支援している。透明性を確保するためには、一貫性のない、不正確なリファレンスデータに課題があり、MDMの技術を適用している。これによりビジネスサイドでは、クロスセル、アップセルの支援ができるようになる。従来は口座ビューでしかみえなかったが、MDMの技術により、シングルビューが可能になる。

--データ保護の仕組みはどのようなものか。

 セキュリティや個人情報については、個人情報を適切にマスキングしていない場合があるため、テストデータマスキングで、われわれの技術が活用されている。金融機関や通信業で顧客情報の漏えいは最大のリスク要因だ。顧客の怒りを買うだけでなく、多額の罰金が科せられるわけで、これらの情報は日米を問わず、徹底的に守らなければならない。

 ここで2つの解決策がある。1つはシステムをテストする際に利用するもの。本番システムのデータを扱うときに、特に注意すべきデータにマスキングを掛けることである。

 2つ目は本番のデータだ。本番のデータマスキングは、データベースのデータを変えないで、リクエストをしているアプリケーション側に対して、応答するときにマスキング作業をする。オリジナルデータはアクセス権利のない人にはブロックしたり、スクランブルをかける。オリジナルデータは変えないのが前提だ。

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