今週の明言

アクセンチュアが語るデジタルマーケティングの勘所 - (page 2)

松岡功

2014-10-31 12:25

 このあるべき方向性について、立花氏が示した図を紹介しておく。特に図の右側に記載されている「カネ」「ヒト」「モノ/情報」において取り組むべきポイントは参考になると思うのでチェックしていただきたい。


デジタルマーケティングのあるべき方向性(出典:アクセンチュアの資料)

 中でも注目されるのは、「カネ」における「デジタルマーケティングのROI可視化・検証」だ。これが、CMO(最高マーケティング責任者)およびCIO(最高情報責任者)がCEO(最高経営責任者)を説得するためにも最大のポイントになる。立花氏も「デジタルマーケティングは、日本ではビジネスとしてまだ立ち上がったばかりで、周りからは本当に効果があるのかと疑いの目で見られているところもある。それだけにROIの可視化、検証に取り組んでいく必要がある」と強調した。

 立花氏によると、アクセンチュアではROI可視化、検証を含めたトータルなデジタルマーケティング支援サービスを提供しているが、果たして日本企業がそうしたサービスをうまく活用して、それぞれにさらなる競争力を発揮することができるかどうか、注目しておきたい。

「クラウド型ERPの導入がグローバルで着実に広がっている」
(米Oracle Doug Hughes バイスプレジデント)


米OracleのDoug Hughes バイスプレジデント

 日本オラクルが先ごろ、同社のERP「Oracle E-Business Suite」の会計ユーザー向けにクラウド型レポーティングサービス「Oracle Fusion Accounting Hub Reporting Cloud Service」を国内で提供開始したと発表した。冒頭の発言は、来日した米Oracleアプリケーション開発&プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのDoug Hughes氏が発表会見に臨み、クラウド型ERPの動向について語ったものである。

 新サービスは、Oracleが今年9月に米国サンフランシスコで発表したクラウド型ERPの最新版「Oracle ERP Cloud Release 9」新機能の1つで、既存のOracle E-Business Suiteの会計データをクラウド上へ吸い上げ、多様なレポート機能を活用して会計・財務情報の評価、分析を支援するものである。ここではクラウド型ERPをめぐるHughesの発言に注目したい。

 同氏はクラウド型ERPの導入について、「例えば、グローバルに複数の拠点を子会社として持つ企業では、クラウド型ERPをまず子会社に導入し、機能や使い勝手について吟味したうえで、最終的に本社へ導入するといったステップを踏むところも少なくない。ERPをはじめとした業務向けのクラウドサービスは、そうした小さな成功を積み上げながら着実に広げていくのが、導入をスムーズに進める1つのコツとも言える」と語った。

 同氏はまた、「クラウドサービスは、従来のシステム構築のように大きな初期投資を伴うことがないので、バランスシートを気にせずに取り組むことができる」という点も導入メリットとして挙げられると訴えた。

 これまで業務システムの中でもERPのクラウド化には慎重な企業が多かったが、ベンダーのサービスが整備されてきたことで、果たして本格的な“地殻変動”が起こり始めるか、注視しておきたい。

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