NECは4月24日、銀行口座や証券口座の開設時における本人確認(KYC)業務を支援するサービス「Digital KYC」を金融機関やFinTech事業者向けに提供開始すると発表した。
このサービスは、KYC業務をオンライン上で迅速かつ安全に実施するもの。第一弾としてソフトウェア開発キット「Digital KYC SDK(Software Development Kit)」を販売開始する。
これは改正犯罪収益移転防止法に対応し、標準規格「FIDO」に準拠したもので、本人の顔と本人特定書類の顔画像を照合するのに使う。同社の顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用し、金融機関やFinTech事業者が提供するスマートフォン向けアプリに組み込むことで利用できる。
Digital KYC SDKの利用方法(出典:NEC)
利用方法は、スマートフォン向けアプリを用いて、本人の顔と本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)を画面に表示される指示に従って撮影し、その後、氏名や住所などの必要事項を入力することで、オンライン上で本人確認のための一連の手続きが可能となる。また、同社のなりすまし防止技術により、写真などを利用した不正行為による本人確認の手続きを判別する。
さらにFIDOに準拠しているので、生体情報などのデータを端末外部に送信することなくオンライン認証が可能。撮影した顔と本人確認書類の顔画像の照合をスマートフォン内で完結するため、利用者のプライバシーに配慮した安全な本人照合ができる。
Digital KYC SDKは、LINE Payが提供する「LINE Pay かんたん本人確認」で先行して採用され、5月初旬から利用が始められる。