日本ヒューレット・パッカード(HPE)は5月27日、適材適所のマルチクラウド戦略構築を支援するサービス「HPE Right Mix Advisor」の国内提供を発表した。米Hewlett Packard Enterpriseが年3月19日付でグローバルでの提供を発表していたもので、日本では5月27日に開始された。
日本ヒューレット・パッカード 執行役員 Pointnext事業統括の小川光由氏
概要を説明した執行役員 Pointnext事業統括の小川光由氏は、同社のサービス事業「Pointnext」について、「HPEは製品の開発や販売のイメージが強いが、サービス事業でも多額の投資を行い、大きな実績を挙げている」と強調した。
Pointnextの概要(出典:日本ヒューレット・パッカード)
また、Pointnext事業に関連して、クラウド利用の計量/課金管理のツール「CloudCruiser」や、Amazon Web Services(AWS)に強かったコンサルティング企業のCloud Technology Partners(CTP)およびMicrosoft Azureに強かったクラウドコンサルティング企業のRedPixieなどを相次いで買収したことを踏まえ、パブリッククラウドに関しても十分な知見を備えた存在となっていると語った。今回のサービスの提供開始を受けてメニューの整理/強化が行われた「Right Mixソリューション」は、同社が以前から注力してきたハイブリッドクラウド戦略を踏まえ、「適材適所(Right Mix)」でIT環境全体の最適化を実現するものとなる。
日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 ハイブリッド製品統括本部 A&PSビジネス開発本部長の挟間崇氏
続いて Pointnext事業統括 ハイブリッド製品統括本部 A&PSビジネス開発本部長の挟間崇氏が、HPE Right Mix Advisorの詳細を説明した。同氏によると、日本で提供されるRight Mix Advisorサービスは、グローバルIPと日本の経験の適材適所で日本向けを実現したものであり、日本仕様でリブランディングしたものになっているという。グローバルで構築されたコンサルティング/アドバイザリーのメソドロジーに日本企業特有の事情を熟知した日本でのサービス提供経験を加味し、日本企業が望むサービスを実現したとする。
Right Mix Advisorサービスのロードマップ策定のステップ(出典:日本ヒューレット・パッカード)
特に配慮されたポイントとしては、経営トップが、クラウド活用を指示してくるなどの結果、クラウド化が目的化してしまう例が散見されることを踏まえ、「何のために」「何を目指して」クラウド化するのかという「出発点を明確にする」ことや、「PoV(Proof of Value)」というコンセプトでクラウドを利用した場合に得られる価値などを事前に検証する活動を重視している点などが紹介された。
なお、今回提供開始されるRight Mix Advisorサービスは、以前から提供されているプロフェッショナルサービス(Right Mix Infrastructure/Data Store/Networking)や、ITインフラの消費型モデルでの提供サービスである「HPE GreenLake」などと合わせて「Right Mix Solution」として新たに体系化されている。
Right Mix Solutionの全体像(出典:日本ヒューレット・パッカード)