Microsoft自身のソフトウェア上で不正なアプリ内広告が表示されていることに対して、一部のユーザーたちは不満の声を上げている。
テクノロジー系ニュースサイトのGhacksによると、こうした不正なアプリ内広告は、「Microsoft News」といった「Windows 10」のネイティブアプリを通じて配信されているという。
この種のアプリ内広告は、テックサポート詐欺のためのオンライン広告とよく似たかたちの、虚偽のシステムアラートを表示し、ありもしないセキュリティ上の脅威や問題をユーザーに警告する。
Ghacksが伝えているこうした広告の例では、PCが複数のウイルスに感染していると主張するとともに、「個人情報や銀行情報が危険にさらされている」という警告を表示する。そして、「Scan now」(今すぐスキャン)ボタンをクリックするようユーザーに促す。ユーザーが該当ボタンをクリックすると、フィッシング詐欺用のページにアクセスしたり、不要なソフトウェアをダウンロードしたりすることになる。
Microsoftのアプリ内に表示されるその他の詐欺広告には、新しい「iPhone」に当選したとするものや、調査への参加を依頼するものがある。これらの詐欺広告はいずれも、ユーザーにボタンをクリックさせることで、個人データを入手したり、不要なソフトウェアをダウンロードさせようとするものだ。
不正な広告を最初に発見したのは、Windows関連の話題を扱うドイツのウェブサイトBorncityだった。Microsoftのドイツ語版コミュニティーサイトにおける回答に寄せられた不満によると、こういった広告は「Windows Games」経由のものもあるという。
同サイトの回答には、「Windows 10上でアプリを起動した際、あるいは使用している際に、既定のブラウザー上で不正なウェブページをオープンする悪意あるバナー広告が増加している」という警告が記されている。
「このようなウェブサイトは、抽選に当たったという通知や、使用しているPCがウイルスに感染しているという脅しを表示するようになっている。これらはいずれも虚偽の情報だ」(同回答より)
脅迫的なメッセージによってマルウェアをインストールさせようとする手口は目新しいものではないが、このような悪どい広告がMicrosoft自身の広告表示型アプリ上で表示されているという点が問題視されている。
今回問題視されている不正な広告は、ローカル環境上にインストールされるスケアウェアと同列に扱うことはできない。スケアウェアとは、コンピューター上で問題を発見したと称し、プレミアムバージョンを購入するよう被害者を脅す無償プログラムであり、同社は2018年に導入した「Windows Defender」のポリシーを用いることで、この問題に対応しようとしている。
ユーザーに恐怖を抱かせる、あるいは威圧的なメッセージがプログラム内で使用された場合、Windows Defenderは該当プログラムを迷惑ソフトウェアと位置付け、削除することになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。