Microsoftは米国時間7月9日、月例のセキュリティパッチを公開した。7月は77件の脆弱性を修正しているが、この中にはゼロディ脆弱性も2件(CVE-2019-0880とCVE-2019-1132)含まれている。
2件はいずれも特権昇格の脆弱性だ。悪意あるハッカーが遠隔からコンピューターを乗っ取ることはできないが、システムへのアクセスを取得し、より高い権限を持つアカウントへとアクセス権を昇格した後利用される恐れがある。
2件のうち特に重要なのはCVE-2019-1132で、Win32kコンポーネントにおける特権昇格を可能にする脆弱性だ。この脆弱性はESETが発見した。ロシア政府の支援を受けたハッカー集団の一連の攻撃で悪用された可能性もあるという。ESETは米ZDNetに対し、これらの攻撃とゼロディ脆弱性についての詳細な説明を7月10日にもブログで公開する予定だと述べた。
CVE-2019-0880は、splwow64.exeの特権の昇格の脆弱性だ。発見したのはResecurityで、実際に被害が報告された悪用の例について詳細は現時点では明らかになっていない。
さらにMicrosoftは、詳細な情報が公開されており、攻撃者を助けることになりかねない脆弱性6件に対するパッチも提供している。現時点では攻撃は確認されていない。6件の脆弱性は以下の通り。
- CVE-2018-15664(Docker関連の脆弱性)
- CVE-2019-0865(SymCrypt DoSの脆弱性)
- CVE-2019-0887(リモートデスクトップサービスにおける遠隔からのコード実行(RCE)の脆弱性)
- CVE-2019-0962(「Azure Automation」の特権昇格の脆弱性)
- CVE-2019-1068(「Microsoft SQL Server」におけるRCEの脆弱性)
- CVE-2019-1129(Windows の特権昇格の脆弱性)
このほか、7月の月例パッチでは、最も深刻度が高い「緊急」に分類されている脆弱性15件などへのパッチが含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。