VMwareはこの12カ月の間にいくつかの買収を行ってきたほか、Kubernetesを中心としたオープンソースに対するコミットメントの強化や、5Gの導入を進める通信事業者向けのプラットフォームを提供するための準備などを進めてきた。
提供:VMware
しかし、同社の最高経営責任者(CEO)Pat Gelsinger氏によれば、すべての取り組みは計算されたもので、その1つ1つが、同氏が情熱を注ぎ込んでいるセキュリティ業界を「修復(fix)」する取り組みを実現に近づけるという。
Gelsinger氏は、サンフランシスコで開催された「VMworld 2019」の場で米ZDNetが行ったインタビューで、これらの施策はVMwareの守備範囲を広げすぎたという批判を一蹴した。
「われわれの施策はすべて計算されたものだ。そして、私がビジネスのバイブルだと考えたい原則の1つは、コアビジネスから生まれる利益であり、ビジネスをいかに拡大するかということだ」と同氏は言う。
さらに同氏は、「この6、7年の間にわが社が行ってきたことは、すべて現在の取り組みにつながっているし、わが社の事業に近い領域の能力を取り込むことで、事業は強化されている」と述べた。
「近い領域の取り組みを行えば、成功の可能性は高い。取り組みの領域が遠ければ、成功の可能性は低くなる。これが一連の施策の背後にあるテーマだ」(Gelsinger氏)
Gelsinger氏は米ZDNetに対し、Carbon Blackの買収について具体的に言及しながら、セキュリティは同社の事業に非常に近い領域だと考えていることを明らかにした。同氏によれば、VMwareは「NSX」のリリース以来ずっとネットワークセキュリティ関連の機能を構築してきており、セキュリティと管理を包括的に提供する製品「Workspace ONE」でも同様の取り組みを進めてきている。
同氏に言わせれば、VMwareはすでにセキュリティの取り組みを進めていたが、Carbon Blackを買収したことで、同社が構築した共通のクラウドアナリティクス技術を取り込めたというわけだ。
「その上、私は『Dell』と呼ばれる化物のような販売チャンネルを利用できる」と同氏は付け加え、さらに次のように述べた。
「従って、私にとってCarbon Blackの買収は、わが社の弱点だった各社の最高情報セキュリティ責任者(CSIO)に対する販売チャネルを補うと同時に、わが社が既に持っているものも補完してくれるものだった。これはコアビジネスに非常に近い領域での取り組みであり、わが社を単なるインフラではなく、安全なインフラを提供するプロバイダーとしての位置づけを固めてくれる。非常に強力な施策だ」
「これが、この買収に対するわが社の見方だ」