Amazon Web Services(AWS)は米国時間9月4日、「Amazon Elastic File System」(Amazon EFS)の低頻度アクセスストレージクラス(EFS IA)の価格を引き下げたと発表した。この価格引き下げにより、顧客はファイルストレージのコストを最大で92%削減できるという。
AWSは今回の値下げについて、「AWS Cloud」史上、最大のものの1つだと述べている。
この値下げにより顧客は、ファイルシステム中のファイルに対する保存やアクセスを実質的に1カ月あたり0.08ドル(約8.53円)/GBで行えるようになる。
Amazon EFSはLinuxベースのワークロード向けに提供されているフルマネージド型のクラウドネイティブなNFSファイルシステムであり、AWSのサービスやオンプレミスのリソースとともに利用することができる。Amazon EFSにより、ファイルの作成や削除に伴って、パフォーマンスに影響をもたらすことなく自動的に領域を伸縮させるエラスティックなストレージが提供される。
AWSのシニアテクニカルエバンジェリストであるSteve Roberts氏は同社のブログに、「ストレージの増大に伴い、アプリケ-ションがすべてのファイルに常時アクセスするという必要性は減少することが多く、アクセスパターンも時とともに変化していく可能性がある」と記している。
同氏はまた、「アプリケーションをクラウドへと移行するうえでの2大動機は、運用効率の最大化と、総所有コスト(TCO)の削減であり、これはストレージコストに対しても同様に求められる」とも記している。
Amazon EFS低頻度アクセスのライフサイクル管理によって、最も高速なパフォーマンスのストレージにデータすべてを置いておくのではなく、定期的にアクセスされることのないファイル向けのパフォーマンスティアが提供される。
同社の説明によると、Amazon EFS低頻度アクセスのライフサイクル管理は裏で自動的に稼働するようになっており、ファイルシステムに対して有効化された際、顧客が選択したライフサイクルポリシーに従って、アクセスされないファイルを自動的に、コスト最適化されたEFS IAストレージクラスへと移動するのだという。
頻繁にアクセスされないデータが異なったストレージティアに保存されるとはいうものの、そのようなデータにはすぐにアクセスできる。AWSによると、唯一のトレードオフは、EFS IAストレージティアに保存されているファイルの運用レイテンシーが若干大きくなるというものだ。
7月の発表時点でEFS IAストレージクラスは1カ月あたり0.045ドル(約4.8円)/GBだった。現在は1カ月あたり0.025ドル(約2.7円)/GBとなっている。
Amazon EFS低頻度アクセスのライフサイクル管理は、Amazon EFSが提供されているすべてのリージョンで利用可能になっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。