気候変動による危機が人々の未来に暗い影を落とす中、消費者や投資家、企業幹部は、企業が排出する二酸化炭素を抑制するために何ができるか問うている。こういった状況を想定し、Salesforceは米国時間9月18日、気候変動対策などの活動を促し、カーボンニュートラルに向けた世界の取り組みを加速するためのカーボンアカウンティング製品「Salesforce Sustainability Cloud」を発表した。
新しい「Salesforce Sustainability Cloud」は、企業が信頼できる環境データを追跡し、分析して報告できるようにする。現在ベータ版が提供されている。顧客は、再生エネルギーの利用やエネルギーの総消費量、二酸化炭素排出量といった重要業績評価指標(KPI)を経時的に追跡できる。こういったデータを保有することで、企業は顧客と投資家に対して、二酸化炭素排出量の制限にどのように取り組んでいるかを示せる。また、二酸化炭素排出量の削減計画を企業全体で進めるための知見も得られるとSalesforceは述べた。
Salesforce Sustainability Cloudは、「Einstein Analytics」を利用し、監査のため、あるいは幹部の関与を促すために、関連性のあるデータを明らかにし、動的レポートやダッシュボードを作成する。12月までに一般提供(GA)が始まる見通しだ。
Salesforceの最高インパクト責任者兼コーポレートリレーションズ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるSuzanne DiBianca氏は、次のように述べている。「Salesforceでは、ビジネスとは変化のための最高のプラットフォームだといつも信じてきた。気候変動に迅速かつ大規模に取り組むことは、2020年までに転機を迎えるために不可欠だ。企業は力を合わせ、世界がこれまで見てきた気候の変化に対抗する最大の力とならなければならない」
Salesforceは、国連総会と国連気候行動サミットに合わせてニューヨークで開催される「Climate Week NYC」に先立って、Salesforce Sustainability Cloudを発表している。21日には、史上初の「国連ユース気候サミット」に参加し、気候行動を推し進める若きリーダーたちを支援する計画だ。
Salesforceは、Climate Week NYCのヘッドラインスポンサーとして、サステナビリティに関する一連の新たな取り組みも発表している。たとえば同社は、二酸化炭素排出量を「ネットゼロ」とする未来を目指すとともに、地球温暖化を1.5度以内に抑えるという排出量削減目標の設定に取り組んできた企業のうちの1社だ。また、ニューヨーク市内の学校で環境に関連するSTEM(科学/技術/エンジニアリング/数学)教育プログラムを拡充するため、K-12(幼稚園から高校まで)の学校で環境教育プログラムを提供している非営利団体「EcoRise」に25万ドル(約2700万円)を寄付する。