日本航空は、デジタル変革を支えるハイブリッドクラウド基盤とその統合管理システムを構築した。6月から全面的な運用を開始している。日本IBMが9月27日に発表した。
新たなシステム基盤は、相互接続された3つのクラウドで構成されている。1つは日本航空のデータセンター内に構築されたプライベートクラウド基盤。これにIBM Cloudの専有型IaaSと、他ベンダーの共有型IaaS/PaaSを組み合わせる。プライベートとパブリック、専有と共有といった性質やベンダーが異なる3つのクラウドを統合的に管理するため、統合管理基盤も併せて構築した。
プライベートクラウド基盤には、既存の仮想環境と親和性の高いVMware vSphere、VMware vSAN、VMware NSXを活用。物理サーバーと仮想サーバーの混在環境に対してネットワークをリソースプール化するためにCisco ACIも利用した。
専有型IaaS、共有型IaaS/PaaSを用意したことで、使用用途や高性能ベアメタル、スケールアウトなどの要件に合わせてインフラリソースを適切に配分したり、適切な基盤環境を選択したりできるようになったという。
統合管理基盤には、ServiceNowのIT Service ManagementとVMware vRealizeを活用。利用者向けにポータル機能やサービス管理機能を用意し、運用管理業務の標準化と自動化を進めた。これまで数日かかっていた仮想サーバーの構築時間が数時間に短縮され、同社のデジタル変革をより加速することが可能になったとしている。