日本航空(JAL)、KDDI総合研究所、KDDIの3社は3月13日、第5世代移動通信システム(5G)を用いた航空機整備の遠隔作業支援などに関する実証実験を行うと発表した。「4K解像度の映像を用いた、整備作業の遠隔業務支援」と「8K解像度の映像を用いた、同一拠点内での整備作業支援」の2つを検証する。
「4K解像度の映像を用いた、整備作業の遠隔業務支援」では、出発準備中の航空機の近くや格納庫などの現場にいる整備士の作業を離れた場所にいる指示者が確認と指示を行うことを想定して進める。細かい部品が多く使用されている電子部品(訓練用)の解体と組立の指示を指示者が映像を確認しながら円滑に実施できるかどうかを検証する。また、4K映像伝送に対応するAR(拡張現実)技術を活用した遠隔作業支援システムの検証も行う。同システムはKDDI総合研究所が開発した。
実証実験のイメージ(出典:JAL、KDDI総合研究所、KDDI)
実証実験のイメージ(出典:JAL、KDDI総合研究所、KDDI)
「8K解像度の映像を用いた、同一拠点内での整備作業支援」では、事前に格納庫内で撮影した航空機の外観映像を使い、同一拠点内の8K映像の伝送速度の検証を行う。また将来を見据え、高解像度の映像を活用した目視検査への活用などについても検証を進めていく。
各社の役割は、JALが航空機整備業務などに関する方針とユースケースをまとめ、「JAL Innovation Lab」を提供する。KDDI総合研究所は5Gの無線特性を生かした独自の技術開発とサービス実現に向けた実証実験の実施を担当する。KDDIは5G環境を提供する。