AWS re:Invent

AWSジャシーCEO、米国防総省「JEDI」クラウド契約で「政治的介入があった」と発言

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-12-05 12:17

 Amazon Web Services(AWS)の最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は米国時間12月4日、米国防総省(DoD)の100億ドル(約1兆1000億円)規模のクラウドプロジェクト「JEDI」でMicrosoftが受注することになった背景には「多くの政治的介入」があったと発言した。また同氏は、DoDのこの決定によって国家の安全保障が危機にさらされる可能性があるとの見方を示した。

Andy Jassy CEO

 同氏は「ある企業や、その企業のリーダーに対する不満をおおっぴらに語る大統領の下では、DoDをはじめとする政府機関が政権内部との摩擦を恐れずに決定を下すのは極めて困難になる」と語った。

 同氏は、「このように重要な意思決定が正しく実行されないというのは、国家と民主主義にとって本当の危機だと言える。これはわれわれの国家における安全保障と、テクノロジープラットフォームのモダナイズについての話、つまりわれわれの国を守るために使われるすべてのアプリケーションのベースについての話なのだ。このため、こういった意思決定は本当の意味で客観的なものであるべきだ」と述べた。

 DoDは10月、JEDIプロジェクトの契約先としてMicrosoftを選定したと発表した。Amazonは11月、この決定を不服として同省を提訴するとしていた。

 JEDIは、10年間で100億ドルにもなる大規模なクラウド契約だ。これには機密性を要する環境と機密扱いではない環境における、IaaSとPaaSのサービスが含まれる見通しだ。Googleは2018年10月にJEDIの入札プロセスへの参加を取りやめ、OracleとIBMは2019年4月に要件を満たしていないとして選に漏れていた。Oracleは入札プロセスが公平性を欠いているとして異議を唱え、2018年12月に訴訟を起こしていた。その後、2019年7月に連邦判事が同訴訟を棄却したため、JEDIの契約はMicrosoftかAmazonが受注するものと考えられていた。Trump大統領は、Amazonの最高経営責任者(CEO)でThe Washington PostのオーナーであるJeff Bezos氏を度々批判してきた。

 re:Inventカンファレンスで、JEDIの入札プロセスにおいて、政治的介入があったという直接的な証拠を持っているのかという問いに対し、Jassy氏は回答を控えた。現時点でAmazonは訴訟のさなかにあるため、あまり深くコメントできないとした。

 Jassy氏はこれまでにも発言していた通り、AWSは機能及び成熟度という点でより優れたサービスをDoDに提示したと述べた。

 同氏は、「われわれは、これが公明正大な結果ではなかったと強く感じている。そのことは誰の目から見ても明らかだと私は考えている」と述べるとともに、「純粋に客観的な観点から、プラットフォームを同一の条件で詳細に見比べたのであれば、今回の結論に到達することはない」とした。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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