Amazon Web Services(AWS)は、米国防総省のクラウドプロジェクト「JEDI」の入札でMicrosoftに軍配が上がったのは、Donald Trump大統領によるAmazonや同社最高経営責任者(CEO)Jeff Bezos氏に対する攻撃があったためだとして同省を提訴している。
AWSのCEO、Andy Jassy氏は先週、JEDIをMicrosoftが受注することになった背景には「多くの政治的介入」があったとして、「ある企業や、その企業のリーダーに対する不満をおおっぴらに語る大統領の下では、国防総省をはじめとする政府機関が政権内部との摩擦を恐れずに決定を下すのは極めて困難になる」と語った。
米国時間12月9日付けで公開されたAWSの訴状には、同省が両社の提案を検討するにあたり「重大な過ち」を犯したと書かれている。
「しかし、これらの過ちは単に、恣意(しい)的かつ気まぐれな意思決定によって生み出されたものではない」(訴状)
そして「これらは、Donald J. Trump大統領からの不適切な圧力があった結果だ。Trump大統領は自らの政敵と捉えている、AWSの親会社Amazon.comの創業者兼CEOであり、The Washington PostのオーナーでもあるJeffrey P. Bezos氏に打撃を与えるために、AWSがJEDIを受注しないよう、舞台裏で何度も攻撃的な行動をとった」と続けられている。
また訴状では、Trump大統領が当時国防長官を務めていたJames Mattis氏に対して、JEDIの契約を受注させないよう「Amazonを閉め出せ」と告げたという、書籍の記述を引き合いに出している。
AWSの弁護士は、「基本的な公正さを得るうえで、提案の再評価と新たな裁定が必要だ。それに伴う利害は大きなものだ。問題は、米国の大統領が自らの、そして政治的な目的を追求するために国防総省の予算を使うことを許すべきかどうかにある」と主張している。
AWSは、JEDIの入札時に同省が実施したAWSとMicrosofftの評価に過ちがあったとしてその詳細を述べる一方で、こういった過ちがBezos氏の所有するThe Washington Postの報道姿勢を良しとしないTrump大統領の怒りによって導き出されたものだと主張している。
AWSは、「Bezos氏とAmazon、The Washington Post、JEDIの入札プロセスに対するTrump大統領のツイートが積み重なった結果、国防総省はAWSの技術と経験上の優位性から生み出される利点を意図的に除去するようなさまざまな行動を採り、AWSと、Microsoftを含む競合他社の評価の場を人為的にゆがめた」と主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。