コネクテッドビークルプラットフォームは1つよりも2つある方がよい。少なくともEricssonはそう考えているようだ。同社は米国時間12月19日、Microsoftの「Microsoft Connected Vehicle Platform(MCVP)」上に「Ericsson Connected Vehicle Cloud」を構築すると発表した。
提供:Ericsson
Ericssonによると、同社のConnected Vehicle Cloudはコネクテッドビークル市場のおよそ10%に相当する、世界の130カ国以上における約400万台以上の自動車を接続しているという。
今回の発表には、Connected Vehicle Cloudが24時間365日休むことなく運用され、ライフサイクル管理も提供していると記されている。また同クラウドはテレマティックスデータやインフォテインメント、ナビゲーションも提供しているという。なおこれらの情報はMCVPも提供している。
また発表には、MCVPとの統合によって「自動車メーカーは、フリートマネジメントや、OTAによるソフトウェアアップデート、コネクテッドセーフティーサービスといったグローバルな自動車サービスを、より容易かつ、迅速、安価に配備および拡大できるようになる」とも記されている。
以前は「Connected Car Platform」と呼ばれていたMCVPは、自動車を「Microsoft Azure」や「Office 365」などの、同社のバックエンドのクラウドサービスに接続するというものであり、その戦略は自動車への「Windows」の搭載を目指していた従来の「Windows Automotive」計画を置き換えるものとなっている。
MCVPはAzure上に構築されるプラットフォーム層だ。MCVPに関するMicrosoftのホワイトペーパーによると、これによって自動車メーカーとインテグレーションパートナーは、車載センサーからのテレメトリーデータを、Azure上で稼働するデータレイクに蓄積できるようになる。なお、MCVPは乗用車のみを対象としているわけではなく、商用車や産業車両も考慮しており、その対象範囲は自動車やトラック、クレーン、船舶、ドローンと多岐にわたっている。
Ericssonは2018年11月、Connected Vehicle Cloudに関して過去最大規模となる契約をVolvoと締結した。これによりVolvoは、今後5年間にわたって同社の自動車向けデジタルサービスでEricssonのプラットフォームを使用することになる。Volkswagenは同年12月、Volvoのコネクテッドカー事業を買収すると発表した。そしてVolkswagenは、MCVPの主要顧客の1社として名を連ねている。要するに、これら企業はコネクテッドカーを手がける連合体というわけだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。