新たな1年を迎えるに当たり、各国のZDNetの編集者チームが選んだ、2020年のエンタープライズ市場に大きな影響を与えるとみられる5つのテクノロジートレンドを紹介したい。プラスの影響もマイナスの影響も考えられるが、いずれにせよ相当な影響を及ぼすことは間違いない。集まった編集者は、米TechRepublicのBill Detwiler、米ZDNetのLarry Dignan、Chris Duckett、Steve Rangerだ。
まず、半導体業界の雄であるIntelを取り巻く状況から始めよう。
Intel:勢いを増す競合企業
Intelが廃業する可能性は、AppleやMicrosoftやGoogleの命運が尽きる可能性と同じくらいだと言ってよく、短期的にはまったく考えられない。しかし、だからといって、同社が順風満帆であるとは限らない。
Intelは長年にわたって市場を支配してきたが、今や多くの競合企業が同社の旨味のあるマージンを奪おうとしている。
長年の不調から復活したAMDは、再びサーバー向け市場に参入しようとしており、ハイエンドノートPC市場に復帰した。
ArmベースのノートPCでは、「Windows」で実行できるアプリケーションが限られているかもしれないが、各ベンダーは市場をこじ開けられるArmデバイスを作ろうとする試みを繰り返している。ベンダーの試みは今後も続き、いずれ成功するだろう。
モバイル向けチップ事業や機械学習用のGPU製品などの選択肢や成長市場で後れをとっているIntelは、AMDやArmのチップが勢いを増していく状況に対抗する手段が十分ではないかもしれない。
万事休すというわけではないが、2020年はIntelにとって厳しい1年になるかもしれない。
5G:変化が見られるのはビジネス利用
5Gは、モバイル事業者自体にも多くのメリットをもたらすが、消費者にとってのメリットはそれほどはっきりしていないだろう。消費者市場では、2020年中にはあまり大きな変化を期待するべきではないかもしれない。5Gはまだ、概してキラーアプリケーションを模索する段階となりそうだ。
提供:Corinne Reichert/ZDNet
モバイルデバイスの更新サイクルが伸びていることもあり、5G対応スマートフォンが普及するには時間がかかる。また、5Gネットワークの展開も徐々にしか進んでいない。5Gの政治をめぐる論争や、5Gがもたらすまったく新たなセキュリティ上の脅威は、5Gの展開をさらに遅らせる可能性がある。5Gの本格的な展開は、5G対応の「iPhone」が登場すると予想される2020年終盤までずれ込むことも考えられる。一般消費者にとっては、そうなって初めて5Gが主流の技術になるが、そうなれば、低遅延を活用したゲームや拡張現実(AR)や仮想現実(VR)アプリが軌道に乗り始めるかもしれない。