Googleの親会社であるAlphabetは米国時間2月3日、2019会計年度第4四半期の決算(12月31日締め)を発表し、Google Cloudの年間売上高ランレートが100億ドルを超えることが明らかになった。同社のクラウド事業は前年比53%増の伸びを見せたが、これはGoogle Cloud Platform(GCP)の大幅な成長を背景としたものだ。
AlphabetとGoogleの最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏は、同日に実施したカンファレンスコールで、「GCPの成長率はクラウド事業全体の成長率よりも有意に高く、2018年から2019年にかけて加速している」と述べた。
Googleは今回の業績発表で、クラウド事業以外に「YouTube」広告の業績に関する詳しい情報も初めて開示した。
2019会計年度第4四半期のGoogle Cloudの売上高は26億1400万ドルで、前年同期の17億900万ドルに比べ大幅な増収となった。通年で見た場合のクラウド事業の売上高は、2017年には40億5600万ドル、2018年は58億3800万ドルだったのに対し、2019会計年度は89億1800万ドルだった。
最高財務責任者(CFO)Ruth Porat氏によれば、GCPの成長は、インフラサービス事業と、データプラットフォームおよびアナリティクスプラットフォーム事業にけん引されたものだという。また同氏は「マルチクラウド製品の『Anthos』も大きく業績を伸ばした」とも付け加えた。一方、「G Suite」事業の継続的な成長は、引き続き中小企業セグメントとエンタープライズセグメントの両方の伸びを反映している。
Pichai氏は、5000万ドル超のクラウド契約の件数も、前年比で2倍以上になったと述べた。同氏は、WayfairやLowe's、Lufthansa Groupなどの大型顧客についても触れた。Googleは最近、トラベルテクノロジー企業のSabreとも10年の契約を結んでおり、運用の改善や新たな航空サービス、ホスピタリティサービスの開発を支援していくという。
同氏は、「われわれは、ますますより大型の取引をするようになっている」とし、「これらの取引はクラウド以外にも広がりうる」と述べた。例えば、自動車会社がクラウド、「Android Auto」、さらに場合によってはWaymoなどでGoogleと連携する可能性があるとPichai氏は続けた。WaymoはGoogleからスピンオフした自動運転車事業だ。医療などの分野では、顧客はGoogleとAlphabetに存在する業界の専門性を活用したいと考えるかもしれない。
Pichai氏は、「人々がクラウドでわれわれと関わりあう場合、全面的なより大型のデジタル変革に関心を持つ」と話した。
Google CloudはThomas Kurian氏の指揮下で、さまざまな市場で複数の特定業界向けの分野にフォーカスしている。Googleはこの取り組みに積極的に投資しているとPorat氏は強調した。また同社は現在、クラウドの営業力を強化しているという。
Alphabet全体の第4四半期の業績については、希薄化後1株当たり利益は15.35ドルで、売上高は前年同期比17%増の460億7500万ドルとなった。
アナリストの予想は1株当たり利益12.59ドル、売上高469億4000万ドルだった。
2019会計年度通年での希薄化後EPSは49.16ドルで、売上高は前年比18%増の1618億6000万ドルだった。
売上高がもっとも大きかったのは広告事業で、第4四半期の売上高は379億3400万ドル、通年では1348億1000万ドルだった。
Google検索とその他の広告(YouTube事業以外)の第4四半期の売上高は271億8500万ドルで、前年同期の233億2000万ドルを上回った。通年での売上高は、2017年が698億1000万ドル、2018年が852億9600万ドルだったのに対して、2019会計年度は981億1500万ドルだった。
YouTube事業の第4四半期売上高は、2018年には36億500万ドルだったのに対し、2019年には47億1700万ドルとなった。同セグメントの通期での売上高は、2017年には81億5000万ドル、2018年には111億5500万ドルだったのに対し、2019年は151億4900万ドルとなった。
Alphabetのムーンショット事業である「その他の取り組み」については、第4四半期の売上高が1億7200万ドル、通期では6億5900万ドルだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。