Alibaba(アリババ)のクラウド事業が第3四半期(12月31日締め)に、新たなマイルストーンを達成した。売上高が107億2000万元(15億4000万ドル)となり、1四半期で初めて100億元を上回った。同社のクラウド事業は、パブリック/ハイブリッドクラウドサービスの需要にけん引され、第3四半期に前年同期から62%増加した。
同四半期の総売上高は、クラウド事業の堅調な業績が後押しして231億ドルとなり、前年同期から38%増加した。純利益は75億ドルで、前年同期から58%増加となった。
総売上高でクラウド事業が占める割合は7%で、売上高の多くは小売のEコマースや物流サービスなどを含む、コマース事業が生み出している。
中核となるコマース事業の売上高は、総売上高の88%を占め、前年同期比38%増の203億ドルだった。中国の小売マーケットプレースのアクティブコンシューマー数は、前期から1800万人増えて、7億1100万人となった。月間モバイルアクティブユーザー数は8億2400万人で、前期から3900万人増加した。
Alibabaの会長兼最高経営責任者(CEO)Daniel Zhang氏によると、アクティブコンシューマーの増加は、ソーシャルコマースコンテンツを中心に、ユーザーエンゲージメントの向上に投資した結果だという。またZhang氏は、同社が通称「独身の日」の11月11日に実施している「Global Shopping Festival」の流通総額(GMV)が、2019年に過去最高の384億ドルを記録したと述べた。
Alibabaによると、2019年は同フェスティバルの取引を同社のパブリッククラウドでホスティングした。Alibabaはフェスティバルに先立ち、Eコマース事業を支えるコアシステムを同社のパブリッククラウドに移行した。このプラットフォームは、ピーク時に1秒あたり54万4000件以上の注文、同日の取引データ量970ペタバイトを処理した。
Zhang氏はその一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が、同社の事業全体に短期的な影響を及ぼす可能性があると、カンファレンスコールで述べた。また同氏はSouth China Morning Postに、新型コロナウイルスがすでに中国経済に影を落としており、世界経済に波及する恐れがあると語っている。
Alibabaは現地時間2月10日、新型コロナウイルスの影響を受けているマーチャントを支援する狙いで、オンラインプラットフォームの手数料の一部を減額もしくは無料にするなど、約20の対策を発表している。同社のオンラインショッピングモール「T-mall(天猫)」は、ウィルスの被害が深刻な湖北省に拠点を置く一部のマーチャントに対して、2020年上半期のサービス料金を免除するほか、一部のサービスを無料で提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。