阿里巴巴集団(アリババグループ)のクラウド事業を担当するアリババクラウドは、同社のアルゴリズムプラットフォーム「Alink」の「中核コード」をGitHub上で公開したと発表した。同社によると、アップロードしたさまざまなアルゴリズムライブラリーは、バッチ処理とストリーム処理の双方をサポートするという。これらライブラリーは、オンラインでの製品レコメンデーションや、スマート顧客サービスといった機械学習(ML)のタスクに必要不可欠なものとなっている。
アリババクラウドによるとこれらのコードは、開発者やデータアナリストが統計解析やML、リアルタイム予測、パーソナライズドレコメンデーション、異常検知といったソフトウェア機能を構築する際に活用できるという。
Alinkは分散型の統合コンピューティングエンジンである「Apache Flink」をベースにしており、アリババのプロプライエタリーな製品のほか、「Apache Kafka」や「Hadoop Distributed File System」(HDFS)、「Apache HBase」といった、オープンソースのさまざまなデータストレージプラットフォームをサポートしている。
アリババクラウドのデータプラットフォーム担当プレジデント兼シニアフェローであるJia Yangqing氏は、ビッグデータとMLのツールを探し求めている開発者にとって、Alinkは適切な選択肢になるだろうと述べている。
Yangqing氏は、アリババがGitHubに対する貢献者のトップ10に入っている点に触れ、「われわれは、自らのソフトウェア開発サイクルにおいて、可能な限り初期の段階からオープンソースコミュニティーとのつながりにコミットしている。GitHub上でAlinkを共有したのも、その表れだ」と述べている。
アリババも、自社のEコマースマーケットプレイス「天猫」(Tmall)でAlinkを活用している。これにより、中国の「独身の日」(11月11日)に開催されるショッピングイベントでの製品レコメンデーションのクリックスルー率が4%押し上げられたという。
GitHubにおける同社の貢献者数は、今日までに2万人を数えるほどになっている。アリババのオープンソースイニシアティブとしては、「MySQL」をベースにした「AliSQL」や、コンテナツールの「Pouch」、Javaベースの「Apache Storm」である「JStorm」などがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。