情報処理推進機構(IPA)は、毎年インターネット利用者を対象にした「情報セキュリティの脅威に対する意識調査」を実施し、その結果からは興味深い動向が見てとれる。2019年12月に行われた最新調査の結果から、今回はOSの利用状況やサイバー攻撃の理解度などの状況をピックアップしてみたい。
この調査は、13歳以上でPCおよびスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)のインターネット利用者を対象に、ウェブでアンケートを行い、それぞれ5000人の回答者の傾向を分析している。
OSの利用状況
OSの利用状況についてPCは、Windows 10が64.7%で最も高く、Windows 7が14.4%、Windows 8/8.1が9.2%、Mac OSが4.2%だった。職業別に見ると、経営者/役員ではWindows 7とMac OSの利用率が全体平均より高く、特にWindows 7は平均より約7ポイント高く、全ての職業の中でも最多だった。Mac OSの利用率が平均より高いのは、専門職(6.0%)や自営業/自由業(8.0%)だった。
スマートデバイスは、iOSが46.2%、Androidが48.2%で、2つのOSに大別される傾向に変化は見られなかった。
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攻撃や脅威の認知度
インターネット上の攻撃や脅威の認知度は、PCおよびスマートデバイスとも80%を超えたのが「フィッシング詐欺」「ワンクリック請求」だった。最も低いのは「セクストーション(性的脅迫)」で、いずれも3割台にとどまっている。
また、PCとスマートデバイスで認知度に10ポイント近い差があったのは「セキュリティホール(脆弱性)」「マルウェア」「ランサムウェア」で、いずれもPCよりスマートデバイスの利用者の方が認知度は低い。
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前回2018年の調査結果で比較すると、PC利用者のセクストーションの認知度が微増した以外は、ほぼ全ての攻撃・脅威に対する認知度が減少した。
セキュリティ情報の入手
攻撃や脅威に関する情報の入手については、PCおよびスマートデバイスとも「特にない」が最も多く、4割以上だった。2018年と比較してPC利用者では10.4ポイント、スマートデバイス利用者では6.1ポイント上昇している。
入手している利用者の手段では「ニュースサイト」が最も高く、ともに3割以上だった。以下は、いずれも「セキュリティベンダーのウェブサイト」「セキュリティ専門家のブログ・SNS」となっている。ただ、ほとんどの手段において情報を入手する利用者は2018年より減少している。
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