クラウドサービスで先行するAmazon Web Services(AWS)が、ユーザー視点のパートナー技術認定プログラムの推進に注力している。いわばユーザーがパートナーを“品定め”できる制度で、AWSのビジネス姿勢を映し出したものだ。日本では1年前から本格展開を始めたが、果たしてどれだけ進展したか。
ユーザー視点のパートナー技術認定プログラムを推進
AWSの日本法人であるアマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)が先頃開催したパートナー向けの年次イベント「AWS Partner Summit Tokyo」で、現在620社が参加する国内AWSパートナーネットワーク(APN)における取り組みの状況や今後の展開について明らかにした。
その基調講演の概要については関連記事をご覧いただくとして、本稿では2つのパートナー技術認定プログラムに注目したい。1つが「AWSコンピテンシープログラム」、もう1つが「AWSサービスデリバリープログラム」である。
AWSジャパン パートナーアライアンス統括本部 執行役員の渡邉宗行氏
同イベントの講演でこれらの説明に立ったAWSジャパン パートナーアライアンス統括本部 執行役員の渡邉宗行氏によると、コンピテンシープログラムはソリューション分野別の専門知識や導入実績による認定、サービスデリバリープログラムはAWSの各種サービスの導入実績による認定で、いずれも「ユーザーから見てパートナーを選びやすい」ように見せているのが肝心な点だ(写真1)。
渡邉氏は、コンピテンシープログラムについては図1を示しながら、現在26のソリューション分野において認定を設けており、日本では25社のパートナーが合計38ソリューションの認定を取得していると説明。また、サービスデリバリープログラムについても図2を示しながら、現在27のサービス分野において認定を設けており、日本では38社のパートナーが合計62サービスの認定を取得していることを明らかにした。
AWSコンピテンシープログラムにおける2019年の国内認定取得一覧
AWSサービスデリバリープログラムにおける2019年の国内認定取得一覧
さらに、両プログラムにおけるパートナーの認定取得状況を、ユーザーが自らの要望に沿ってさまざまな角度から検索できるようにした「AWSパートナーソリューションファインダー」と呼ぶツールも2019年8月に日本語版として利用できるようになった(図3)。
AWSパートナーソリューションファインダーの概要
実は、この話については1年前の同イベントの取材をもとに、2019年3月13日掲載の本連載で「AWSが注力する『ユーザーがパートナーを“品定め”できる制度』とは」と題して取り上げ、大きな反響があった。そこで今回も同じ切り口で取り上げ、さらに講演後、渡邉氏に話を聞くことができたので、以下にそのインタビュー内容(敬称略)をお届けする。