経済が新型コロナウイルスの影響から立ち直ろうとする中、働き方や出張のあり方など、さまざまな業界で「ニューノーマル(新たな常態)」が生まれようとしている。
その詳細は変わり続けているが、今回の業績発表シーズンでは、各社が将来の展望についてさまざまなコメントをしている。
この記事では、それらの発言をたどってみたい。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏、経済回復の3つの段階について。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が仕事や生活のあらゆる面に影響を与える中、この2カ月で2年分のデジタルトランスフォーメーションが起こった。わが社は毎日、リモートでのチーム作業、営業やカスタマーサービス、必要不可欠なクラウドインフラやセキュリティなどのさまざまな分野で、顧客があらゆるものがリモート化された世界でビジネスを継続できるように、顧客に寄り添った取り組みを続けている。
経済回復は3段階で進むとNadella氏は付け加えた。今の状態が第1段階だ。第2段階について、同氏は次のように述べている。
回復の次の段階は、ダイアルのようなものだ。経済活動が元に戻り始めると、私たちは、常にダイアルを調整し続けなくてはならない状態に入る。このハイブリッドな作業は、しばらくの間続くだろう。その場面では、わが社のアーキテクチャー面での製品が持つ強みが顧客の役に立つはずだ。
Nadella氏によれば、第3段階では遠隔医療や、オンライン教育、デジタルツインなどの、構造的な変化が起こるという。
米国の大手貨物運送会社UPSの最高財務責任者(CFO)Brian Newman氏、今後の回復と状況の変化について。
現在の世界的な状況には、3つの異なるステージが存在すると考えている。新型コロナウイルスの感染拡大前、自宅待機、そして回復段階だ。米国は3月に自宅待機のステージに入り、第2四半期に入ってもそれが続いている。現時点では、このステージの期間や深刻さ、あるいはその結果生じる不況について判断することはできない。こうした議論は経済学者に任せ、わが社は従業員の安全を守り、顧客にサービスを提供し、株主に十分な流動性を提供することに集中したいと考えている。
同氏はさらに次のように述べている。
この危機の結果として、将来、消費者やビジネスの振る舞いが変化する可能性が高いだろう。UPSは変革の取り組みによって、自動化を推進し、ネットワークの柔軟性を高め、将来わが社を有利なポジションに位置づける、技術によって可能になった新たなソリューションを提供しており、そのことはわが社と市場の新たなあり方の橋渡しに役立つはずだ。