日本ユニシスは、新型コロナウイルスの影響を受けた小売業・飲食業・観光業などの事業者に対し、事業継続する上での資金調達に役立てることができるよう、電子チケット流通サービス「Kimaticke」の提供を開始した。12月31日まで無償となる。なお、ユーザーごとの最大利用期間は6カ月となる。
同サービスは、ブロックチェーン技術を使って、事業者が提供する電子チケットをいつでも・簡単・安全に発行でき、生活者や来訪者の送客や地域周遊を実現する社会基盤サービスとして利用できる。店舗が電子チケットを作成・発行し、生活者が利用、譲渡する機能を、ビジネスへの組み込みが容易となるAPIで提供する。これらの仕組みは、ブロックチェーンの耐改ざん性により、発行者の証明や権利所有を担保し、トークンに記録された電子チケットの流通経路(発行、利用、譲渡など)を把握することができる。
「Kimaticke」利用モデル
日本ユニシスは、耐改ざん性や追跡可能性のある「権利移転」ビジネスに着目し、2018 年には、国内初となるブロックチェーンによる電子チケット(電子バウチャー)の社会実証実験を喜多方市で実施し、2019年には、ブロックチェーンによる電子チケットの観光周遊サービスの本運用を、大阪市で行ってきた実績を持つ。
具体的な利用モデルは、ファンや顧客に「先買いチケット」を購入してもらうことで、店の資金調達を容易にしたり、買占めや在庫不足で商品の購入ができない顧客に「商品引換券」を配布することで、平等な商品提供を可能にするといったものがある。また、クーポンや地域商品券を観光客誘致用の「プレミアム商品券」として販売することで、地域の経済復興につなげていくという方法もある。
「Kimaticke」システム構成
同サービスは、発行する券種も、イベント参加券、共通券、定期券、回数券、クーポンなどさまざまな券種で自由につくることができ、複数の異なる店舗が発行した電子チケットを組み合わせたパッケージチケットとして販売することも可能だ。所有している電子チケットやパッケージチケットの一部を、友人や知人にプレゼント(譲渡)できる。