NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、人工知能(AI)を用いた異常予兆検知ソリューション「@DeAnoS」の販売を今秋から開始する。事前検証・概念実証(PoC)の実施、提供形態の提案、カスタマイズ開発など、導入前後でのコンサルティングサービスも提供する。
@DeAnoSは、異常予兆を捉えてトラブルを回避し、稼働率の向上や運用の効率化、低コスト化を実現するもの。NTTネットワーク基盤技術研究所が開発したディープラーニング(深層学習)に基づく、異常検知技術や要因推定技術をベースにしている。しきい値やルールなど、保守者の経験や設計に基づく従来の異常検知方式では対応の難しかった「異常要因の推定」「潜在的な未知の障害の発見」を可能にする。
利用イメージ(出典:NTT-AT)
従来、情報システムの異常検知は監視する項目を決め、項目ごとに設定したしきい値やルールに基づく異常検知を行ってきた。@DeAnoSでは、深層学習技術を用いることで膨大な監視項目の相関関係を一度に学習できるため、事前に対象とする異常ごとに必要なデータを絞り込む必要がなく、監視設計が容易にできる。
また、監視対象となる装置やシステムの構成、利用状況などが変化した場合、通常はモデルの更新やパラメーターチューニングが必要となるが、@DeAnoSでは、モデルの自動更新機能とパラメーターの自動チューニング機能を備えているため、迅速な導入とともに効率的・効果的な異常検知が可能だ。
さらに従来手法では対応の難しかった異常予兆検知や潜在的な未知の障害の発見が可能となり、検知の見逃しを防げるとしている。要因推定機能により異常の主要因の推定し、異常個所の切り分けにかかる時間を短縮することで異常の影響を小さくできるという。またビジネスインテリジェンス(BI)ツールとの連携により、マウス操作だけで異常箇所の確認、絞り込み、推定された要因の確認ができる。
今後はオンプレミス版に加えて、クラウド版も提供する予定で、データ収集基盤との連携によりトータル監視ソリューションを提供する計画だという。